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肩こり・首こり

揉んでも戻る肩こりの
「本当の原因」とセルフケア

マッサージしても、30分〜1時間で元通り——。その肩こり、原因は肩そのものではないかもしれません。理学療法士が、深部のつながりからゆるめるセルフケアを解説します。

解説:六層連動操法 開発者・沖倉国悦(理学療法士)

こんなこと、ありませんか?

  • 揉んでもすぐ戻る(良い状態は30分〜1時間しか持たない)
  • 肩・首がいつも重い・だるい
  • 頭痛や目の疲れをともなう
  • 猫背・巻き肩になっている
  • マッサージ通いが続いている

肩こりの本当の原因は「深部のつながり」

肩こりは、肩の筋肉そのものより、体の深部を貫く筋膜のつながり「ディープフロントライン」の癒着が関係しています。この“つながり”が首・肩を下から引っ張るため、揉んでも30分〜1時間で戻ってしまうのです。

体の“中”を通る深部のつながり(ディープフロントライン)が、首・肩を下から引っ張ります(動画より)
体の“中”を通る深部のつながり(ディープフロントライン)が、首・肩を下から引っ張ります(動画より)

とくに大きいのが、首(頸部)の中の癒着骨盤内の癒着。だから、肩を揉むより、この2か所をゆるめる方が根本的です。

骨盤の“内側”に癒着がある方が多く、これが首・肩を引っ張ります(動画より)
骨盤の“内側”に癒着がある方が多く、これが首・肩を引っ張ります(動画より)

深部からゆるめる2つのセルフケア

①首の付け根(胸骨)を下げる/②骨盤の癒着を足踏みではがす。どちらも短時間・道具なしでできます。

1

首の付け根(胸骨)を下げる頸部ケア/5秒

喉の下にある胸骨(きょうこつ)に両手を当て、軽く押さえながらそのまま下へ引き下げて5秒キープ。強く押さず、服の上から滑らない程度の力で。首の深部のつながりがゆるみます。

喉の下の胸骨を両手で押さえ、そのまま下へ引き下げて5秒キープ(動画より)
喉の下の胸骨を両手で押さえ、そのまま下へ引き下げて5秒キープ(動画より)
2

骨盤の癒着をはがす(足踏み)骨盤ケア/足踏み20回

骨盤の前の出っ張り「上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)」の内側を、両手の4本指か親指で後ろへグーッと押さえながら、その場で足踏みを20回。骨盤内の癒着が動いてはがれ、首・肩まで軽くなります。腰痛や呼吸のしづらさにも。

上前腸骨棘の内側を指で後ろへ押さえながら、足踏みを20回(動画より)
上前腸骨棘の内側を指で後ろへ押さえながら、足踏みを20回(動画より)

変化を確かめよう。 動画では、骨盤ケアの前後で「あおむけで膝を胸に近づけたときの近さ」を比べ、体のゆるみを確認しています。

やるときの注意

強く押しすぎないでください。

  • 胸骨は強く押さず、服の上から滑らない程度の力で
  • めまい・気分が悪くなったら中止する
  • しびれ・強い痛みがある場合は無理をしない

強い痛み・しびれ・長引く症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

くり返す肩こりは、首や骨盤の奥、全身のつながりから見直すのが近道です。お近くの認定治療院で相談できます。

肩こりと「頭痛・目の疲れ」はつながっています

肩や首のこわばりが強くなると、頭へ向かう血流や神経の通り道が締めつけられ、締めつけられるような頭痛(緊張型頭痛)や目の疲れを伴うことがよくあります。

「頭痛薬を飲んでも、またすぐ痛くなる」という方は、首・骨盤の深部からゆるめる今回のケアで、こりの根本に働きかけてみてください。※突然の激しい頭痛・手足のしびれや麻痺を伴う頭痛は、すぐに医療機関へ。

効果を高めるコツ

  • デスクワークの方は1時間に1回、胸骨ケア(5秒)をはさむ
  • 足踏みケアは滑らない床で。押さえる指は「イタ気持ちいい」手前の強さ
  • ケアの前後で「振り向きやすさ」「肩の軽さ」を比べてみる
  • お風呂上がりに行うと、深部までゆるみやすくなります

よくある間違い

「強く揉むほど効く」は誤解です。

  • 肩を強く揉む・叩く——その場は楽でも、刺激で余計にこわばりやすくなります
  • 首をバキバキ鳴らす
  • 湿布やマッサージ機だけに頼り、原因の深部を放置する

こらない体をつくる習慣

モニターは目の高さに、肘は肘掛けや机で支える、スマホは目の高さに持ち上げる——首が前に出る姿勢を減らすだけで、肩への負担は大きく変わります。猫背が気になる方は猫背のセルフケアを、あごの食いしばりがある方は歯ぎしり・食いしばりのセルフケアもあわせて行うと効果的です。

1日の取り入れ方(例)

「こってから揉む」より「こる前にゆるめる」習慣を。

  • :着替えの前に胸骨ケア5秒。首の深部を起こす
  • 仕事中:1時間に1回、胸骨ケア5秒+肩を回す。モニターの高さも確認
  • 帰宅後:入浴後に足踏みケア20回。骨盤からゆるめる
  • 寝る前:スマホを置き、首の横をやさしく下げて深呼吸

こんなときは受診を

肩こりの多くは生活習慣由来ですが、まれに別の病気が原因のことがあります。

次のような場合は、セルフケアより先に医療機関へ。

  • 腕や手のしびれ・力の入りにくさを伴う
  • 安静にしていても痛い、夜間痛で目が覚める
  • 突然の激しい頭痛、めまい・吐き気・胸の痛みを伴う
  • 発熱や急な体重減少を伴う

よくある質問

肩こりは揉んでも治らないのですか?
揉むと一時的に軽くなりますが、原因が深部のつながり(首や骨盤内の癒着)にある場合、30分〜1時間で戻りがちです。原因の場所をゆるめる方が根本的です。
1日に何回やればいいですか?
回数の決まりはありません。デスクワークの合間や、肩が重いと感じたときに気軽に行ってください。
胸骨(きょうこつ)はどこですか?
喉の下、左右の鎖骨の間にある平らな骨です。ここに両手を当て、軽く下へ引き下げます。
骨盤の足踏みケアは肩こり以外にも効きますか?
骨盤内の癒着は腰痛や呼吸のしづらさにも関わります。肩こり以外の不調にも役立つことがあります。
頭痛にも効きますか?
肩・首のこわばりからくる緊張型の頭痛は、こりがゆるむと楽になることが多いです。ただし突然の激痛や、しびれ・麻痺を伴う頭痛はすぐ医療機関を受診してください。
妊娠中でもできますか?
胸骨ケアは負担が少ないですが、体調がすぐれないときは無理をしないでください。足踏みケアは転倒に注意し、心配な場合は主治医にご相談を。
何週間くらいで「戻らない肩」になりますか?
こりの深さによりますが、まずは2週間、毎日続けてみてください。「楽な時間が長くなる」変化から実感する方が多いです。

もっと知りたい・相談したい方へ

その場のケアは動画で、根本の改善は治療院で。

※本記事は健康情報の提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。効果には個人差があります。しびれ・強い痛み・長引く症状がある場合は、医療機関にご相談ください。