▲ 原因の解説から、その場でできるセルフケア3つまで実演で紹介しています
こんなこと、ありませんか?
- 急に腰に激痛が走り、立ち上がれない・中腰しかできない
- 「魔女の一撃」のように、突然きた
- 山登り・運動会・雪かき・久しぶりの運動の“翌日”に痛くなった
- くしゃみや、かがんだ瞬間にグキッときた
- 以前もぎっくり腰をやった/くり返している
なぜ、突然あんなに痛むの?
背骨と背骨の間には「関節包」という小さな袋があり、ぎっくり腰の多くは、この袋が関節にギュッと挟まってロックされた状態です。だからグキッと激痛が走り、動けなくなります。

カギは背中の深い筋肉「多裂筋(たれつきん)」。ふだんは袋が挟まらないよう調整していますが、山登りや雪かきなどで筋肉が疲れると多裂筋が“誤作動”し、袋を引き出せずに関節が挟まってしまいます。

いちばん起きやすいのは「第5腰椎」と「仙骨」の間(腰のいちばん下)。ここのロックを外すのが、セルフケアの目的です。

ロックを外す、3つのセルフケア
①関節のロックを外す/②筋肉のこわばりを動かす/③激痛でも無理なくできる方法の3パターン。どれも道具なしでできます。
なりかけ・予防に。「腰がだるい」と感じたら休息が一番です。あわせてエプソムソルト(硫酸マグネシウム)をお風呂に入れて浸かると、疲れた筋肉がゆるみます。
関節のロックを外す腰仙関節ケア/その場で
いすやベッドに足をのせ(お尻と同じ高さ)、足は斜め45度に開きます。その足に向かって骨盤を真っ直ぐ前に倒すだけ。痛い方の腰側で行います。痛むところを指で触れておいて、そこへ向かって倒すと当たりが良くなります。


筋肉のこわばりを動かす脊柱起立筋ケア/10回
背中の筋肉(脊柱起立筋)が固まって動かないタイプに。足を大きく開き、手を背中(腰)に当て、体を前に倒して戻すを10回。かたまった筋肉が滑って動きを取り戻します。

激痛で動けない時に重度なケース
①②もつらいほどの激痛のときは、立った状態からゆっくり腰を下ろして「座る」動作をするだけでOK。背中の筋肉がじんわりゆるみます。

やるときの注意
ぎっくり腰は炎症をともないます。グイグイやらないでください。
- グイグイ強くやらない(炎症が広がって悪化することがあります)
- 痛みが軽くなったら、それ以上は欲張らない
- 足のしびれ・力が入らない、痛みがどんどん強くなる・長引く場合は、早めに医療機関へ
強い痛み・しびれ・長引く症状がある場合は、医療機関にご相談ください。
ぎっくり腰をくり返す、慢性的な腰痛がある方は、残った癒着や全身のつながりから見直すと、根本の改善につながります。お近くの認定治療院で相談できます。
「治りかけ」の過ごし方が、その後を左右します
激痛が少し引いてくると、つい今まで通りに動きたくなります。ここで無理をすると、炎症がぶり返したり、癒着が残って再発のクセにつながります。
治りかけの時期は、①痛みのない範囲で少しずつ動く(完全に寝たきりにならない)、②重い物・急な前かがみは避ける、③コルセットは「使いながら徐々に外していく」——この3つを意識してください。
セルフケアのコツ
- ①の骨盤を倒すケアは、息を吐きながらゆっくり。のけぞらないこと
- 1回で欲張らず、2〜3回まで。痛みが軽くなったらそこで終了
- 痛む場所を指で軽く触れながら行うと、狙いが定まりやすい
- ケアの後は急に立ち上がらず、ゆっくり動き出しましょう
よくある間違い
ぎっくり腰は「炎症」です。刺激の与えすぎは悪化のもと。
- グイグイ押す・強く揉む・無理にストレッチする
- 痛みが少し引いた直後に、重い物を持つ・長時間座り続ける
- 「鳴らせば治る」とバキバキひねる——炎症期は特に危険です
再発を防ぐ習慣
ぎっくり腰は「筋肉の疲労」が引き金です。運動や力仕事をした日は、入浴(エプソムソルトも◎)と睡眠でその日のうちに疲労を抜きましょう。物を持ち上げるときは腰からかがまず、膝を曲げて体を近づけてから。
落ち着いたら、腰痛のタイプ別セルフケアで日頃のケアを続けると、くり返しにくくなります。
発症から数日間の過ごし方(例)
「安静にしすぎず、無理もしない」が回復を早めます。
- 当日:まず楽な姿勢で休む。動けるなら①のロック外しを1〜2回だけ
- 2〜3日目:痛くない範囲で歩く・立つ時間を少しずつ増やす。②③も試す
- 1週間前後:入浴で温め、家事など軽い動きに戻す。重い物・急な前かがみはまだ避ける
- 落ち着いたら:腰痛のタイプ別ケアを日課にして再発予防
こんなときは受診を
ぎっくり腰の多くは数日〜1週間で落ち着きますが、別の病気のサインのこともあります。
次のような場合は、セルフケアより先に医療機関へ。
- 足のしびれ・力が入らない・排尿や排便の異常
- 安静にしても痛みが強くなる、夜も眠れない
- 発熱を伴う、転倒や強い衝撃のあとに痛くなった
- 1〜2週間たっても動けるようにならない
よくある質問
ぎっくり腰になった当日でもやっていいですか?
冷やす・温めるはどちらがいいですか?
どのくらいで治りますか?
やっても痛みが変わりません。
病院に行く目安はありますか?
コルセットはした方がいいですか?
お風呂に入ってもいいですか?
※本記事は健康情報の提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。効果には個人差があります。しびれ・強い痛み・長引く症状がある場合は、医療機関にご相談ください。