六層連動操法← セルフケア一覧
ぎっくり腰

ぎっくり腰の「ロック」を外す
セルフケア【3パターン】

突然おそう腰の激痛。立てない、中腰しかできない——。背骨の関節が“挟まってロック”された状態です。その場でロックを外すセルフケアを、動画と図で解説します。

解説:六層連動操法 開発者・沖倉国悦(理学療法士)

こんなこと、ありませんか?

  • 急に腰に激痛が走り、立ち上がれない・中腰しかできない
  • 「魔女の一撃」のように、突然きた
  • 山登り・運動会・雪かき・久しぶりの運動の“翌日”に痛くなった
  • くしゃみや、かがんだ瞬間にグキッときた
  • 以前もぎっくり腰をやった/くり返している

なぜ、突然あんなに痛むの?

背骨と背骨の間には「関節包」という小さな袋があり、ぎっくり腰の多くは、この袋が関節にギュッと挟まってロックされた状態です。だからグキッと激痛が走り、動けなくなります。

背骨の間の関節に「関節包」が挟まると、グキッと激痛が走り動けなくなります(動画より)
背骨の間の関節に「関節包」が挟まると、グキッと激痛が走り動けなくなります(動画より)

カギは背中の深い筋肉「多裂筋(たれつきん)」。ふだんは袋が挟まらないよう調整していますが、山登りや雪かきなどで筋肉が疲れると多裂筋が“誤作動”し、袋を引き出せずに関節が挟まってしまいます。

多裂筋は関節包にくっついていて、筋疲労で働けなくなるとぎっくり腰につながります(動画より)
多裂筋は関節包にくっついていて、筋疲労で働けなくなるとぎっくり腰につながります(動画より)

いちばん起きやすいのは「第5腰椎」と「仙骨」の間(腰のいちばん下)。ここのロックを外すのが、セルフケアの目的です。

いちばんロックが起きやすいのは「第5腰椎」と「仙骨」の間(動画より)
いちばんロックが起きやすいのは「第5腰椎」と「仙骨」の間(動画より)

ロックを外す、3つのセルフケア

①関節のロックを外す/②筋肉のこわばりを動かす/③激痛でも無理なくできる方法の3パターン。どれも道具なしでできます。

なりかけ・予防に。「腰がだるい」と感じたら休息が一番です。あわせてエプソムソルト(硫酸マグネシウム)をお風呂に入れて浸かると、疲れた筋肉がゆるみます。

1

関節のロックを外す腰仙関節ケア/その場で

いすやベッドに足をのせ(お尻と同じ高さ)、足は斜め45度に開きます。その足に向かって骨盤を真っ直ぐ前に倒すだけ。痛い方の腰側で行います。痛むところを指で触れておいて、そこへ向かって倒すと当たりが良くなります。

足はお尻と同じ高さ・斜め45度に開き、体を前へゆっくり倒す(動画より)
足はお尻と同じ高さ・斜め45度に開き、体を前へゆっくり倒す(動画より)
骨盤を太ももに対して“真っ直ぐ”倒すのがコツ。※のけぞらないように(動画より)
骨盤を太ももに対して“真っ直ぐ”倒すのがコツ。※のけぞらないように(動画より)
2

筋肉のこわばりを動かす脊柱起立筋ケア/10回

背中の筋肉(脊柱起立筋)が固まって動かないタイプに。足を大きく開き、手を背中(腰)に当て、体を前に倒して戻すを10回。かたまった筋肉が滑って動きを取り戻します。

足を開き、手を背中に当てて前に倒す→戻すを10回(動画より)
足を開き、手を背中に当てて前に倒す→戻すを10回(動画より)
3

激痛で動けない時に重度なケース

①②もつらいほどの激痛のときは、立った状態からゆっくり腰を下ろして「座る」動作をするだけでOK。背中の筋肉がじんわりゆるみます。

立った状態から、ゆっくり腰を下ろす(座る動作)だけでもOK(動画より)
立った状態から、ゆっくり腰を下ろす(座る動作)だけでもOK(動画より)

やるときの注意

ぎっくり腰は炎症をともないます。グイグイやらないでください。

  • グイグイ強くやらない(炎症が広がって悪化することがあります)
  • 痛みが軽くなったら、それ以上は欲張らない
  • 足のしびれ・力が入らない、痛みがどんどん強くなる・長引く場合は、早めに医療機関へ

強い痛み・しびれ・長引く症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

ぎっくり腰をくり返す、慢性的な腰痛がある方は、残った癒着や全身のつながりから見直すと、根本の改善につながります。お近くの認定治療院で相談できます。

「治りかけ」の過ごし方が、その後を左右します

激痛が少し引いてくると、つい今まで通りに動きたくなります。ここで無理をすると、炎症がぶり返したり、癒着が残って再発のクセにつながります。

治りかけの時期は、①痛みのない範囲で少しずつ動く(完全に寝たきりにならない)、②重い物・急な前かがみは避ける、③コルセットは「使いながら徐々に外していく」——この3つを意識してください。

セルフケアのコツ

  • ①の骨盤を倒すケアは、息を吐きながらゆっくり。のけぞらないこと
  • 1回で欲張らず、2〜3回まで。痛みが軽くなったらそこで終了
  • 痛む場所を指で軽く触れながら行うと、狙いが定まりやすい
  • ケアの後は急に立ち上がらず、ゆっくり動き出しましょう

よくある間違い

ぎっくり腰は「炎症」です。刺激の与えすぎは悪化のもと。

  • グイグイ押す・強く揉む・無理にストレッチする
  • 痛みが少し引いた直後に、重い物を持つ・長時間座り続ける
  • 「鳴らせば治る」とバキバキひねる——炎症期は特に危険です

再発を防ぐ習慣

ぎっくり腰は「筋肉の疲労」が引き金です。運動や力仕事をした日は、入浴(エプソムソルトも◎)と睡眠でその日のうちに疲労を抜きましょう。物を持ち上げるときは腰からかがまず、膝を曲げて体を近づけてから

落ち着いたら、腰痛のタイプ別セルフケアで日頃のケアを続けると、くり返しにくくなります。

発症から数日間の過ごし方(例)

「安静にしすぎず、無理もしない」が回復を早めます。

  • 当日:まず楽な姿勢で休む。動けるなら①のロック外しを1〜2回だけ
  • 2〜3日目:痛くない範囲で歩く・立つ時間を少しずつ増やす。②③も試す
  • 1週間前後:入浴で温め、家事など軽い動きに戻す。重い物・急な前かがみはまだ避ける
  • 落ち着いたら腰痛のタイプ別ケアを日課にして再発予防

こんなときは受診を

ぎっくり腰の多くは数日〜1週間で落ち着きますが、別の病気のサインのこともあります。

次のような場合は、セルフケアより先に医療機関へ。

  • 足のしびれ・力が入らない・排尿や排便の異常
  • 安静にしても痛みが強くなる、夜も眠れない
  • 発熱を伴う、転倒や強い衝撃のあとに痛くなった
  • 1〜2週間たっても動けるようにならない

よくある質問

ぎっくり腰になった当日でもやっていいですか?
はい。関節のロックを外すケア(①)は、応急処置として当日でも行えます。ただし炎症があるため、痛みが強いときは無理にグイグイやらないでください。
冷やす・温めるはどちらがいいですか?
なった直後で炎症が強い時期は、まず安静が基本です。強い痛みや腫れ・熱感があるうちは温めすぎに注意し、つらい場合は医療機関にご相談ください。
どのくらいで治りますか?
多くは数日で動けるようになりますが、炎症から癒着が残ると再発やクセにつながります。落ち着いた後のケアや、くり返す場合の根本的な見直しが大切です。
やっても痛みが変わりません。
筋肉由来などタイプが違うこともあります。②③も試してください。それでもつらい・しびれがある場合は、無理をせず医療機関へ。
病院に行く目安はありますか?
足のしびれ・力が入らない・排尿の異常・安静にしても痛みが強くなる場合は、すぐに医療機関を受診してください。数日たっても動けないほどの痛みが続く場合も同様です。
コルセットはした方がいいですか?
急性期の動く支えとしては役立ちます。ただし頼りきりになると筋肉が働きにくくなるため、痛みが引いてきたら少しずつ外す時間を増やしましょう。
お風呂に入ってもいいですか?
強い痛み・熱っぽさがあるうちは長風呂を避け、シャワー程度に。落ち着いてきたら、ぬるめの入浴で筋肉をゆるめるのは回復の助けになります。

もっと知りたい・相談したい方へ

その場のケアは動画で、根本の改善は治療院で。

※本記事は健康情報の提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。効果には個人差があります。しびれ・強い痛み・長引く症状がある場合は、医療機関にご相談ください。