今日いちばんつらいのは、どのあたりですか。
左のお尻から太ももにかけてです。この頃は足先までしびれてきて、ずっと重い感じが抜けません。
診断としてはすべり症と脊柱管狭窄症があり、4か月ほど前から特にお尻の痛みが強くなったといいます。3年ほど前には知らないうちに腰椎の圧迫骨折もしていました。事前に見せてもらったレントゲンでは骨密度がかなり低く、腰椎の下の方が前へすべり、変形も進んでいます。今回は、前回の動画でお腹の癒着を診た娘さんが付き添い、お母さまの施術を見守りました。
歩くのが本当につらいんです。買い物も、行きは何とか行けても、帰りは足を引きずるようにして戻ってきます。
股関節の動く範囲が狭く、夕方になると台所に立っているのもつらい。左脚は力がすっかり抜けてしまったようで、家族と一緒に歩いていても、気づくとはるか後ろに離されてしまう。足がなかなか前に出ず、脚が外へ開いた歩き方になっていました。腰も左側が痛み、体重が左の外側へぶれて、立っているだけでも不安定さがありました。
まず、脚を伸ばして力を入れてもらいます。左は何度試してもほとんど力が入らず、痛みも強い。右はまだ力が入りました。座って立ってみると、立つこと自体はできますが、今度は膝の痛みが出ます。仰向けで脚を上げてもらうと、途中でぴたりと止まり、そこから先へは上がりません。
脚を上げると、ここで止まってしまうのが分かりますか。今はこのぐらいしか上がっていませんね。
そうですね。このぐらいです。膝も痛くて、ここまで来る階段も大変でした。
脚に力が入りにくい原因は、実は腕とのつながりにある部分なんです。まず腕の方から硬さを取っていきますね。
脚なのに、腕の方から来ているんですか。
はい、腕からつながっているんです。それと、お尻や腰には板のように硬くなった部分があって、これが痛みの元にもなっています。
骨密度が低く、圧迫骨折もしている状態では、強い力での施術はかえって体を痛めてしまいます。だからこそ、痛む腰やお尻を強く押すのではなく、離れた腕からつながりをゆるめ、軽い負荷で少しずつ整えていく——沖倉先生はそう説明しました。
腕から硬さを取ると、その場で脚が動きやすくなります。もう一度脚を上げてもらうと、先ほど止まっていた高さをあっさり越えていきました。
これで脚を上げてみてください。……あららら、すごいですね。
さっきはこのぐらいしか上がらなかったのに。
腰もお尻も、だいぶ楽になっていると思いますよ。お尻の板のような硬さも取れました。
あ、軽い。取れましたね。
立ち上がって、もう一度脚を伸ばす検査をします。左脚にも先ほどより力が入るようになっていました。ずっと下を向くように丸まっていた背筋が伸び、本人も驚いた様子です。付き添っていた娘さんも、母の立ち上がる姿を見て、これまでのヒヤヒヤした思いが和らいだと話しました。
来た時よりずいぶん楽になりました。背筋が伸びたのが自分でもびっくりです。さっきはほとんど立ち上がれなかったのに、今は自分の力で立ち上がれました。
力が出るようになっていますよ。無理をせず、この状態を体になじませていきましょう。
今日はよろしくお願いします。娘さんは前回、動画で診させていただきましたね。その後、お腹の具合はどうですか。
おかげさまで。以前はお腹の癒着がひどくて、自分でここを切って取り出したいくらいでした。今は疲れがたまった時に少し触るくらいで、毎日何度もということは忘れてしまうほどです。
それはよかったです。安心しました。では、お母さまですね。いちばんつらいのはどこでしょう。
左のお尻から太ももです。この頃は足先までしびれてきて、ずっと痛みます。診断ではすべり症と狭窄症と言われました。
腰の方は、以前に何かありましたか。
3年ほど前に腰椎を圧迫骨折していたそうです。知らない間になっていたみたいで。
股関節の動く範囲も狭いですね。歩くのはどのくらい続けられますか。
歩くのもつらいです。買い物も、帰りは足を引きずるように戻ります。夕方は台所に立っているのも大変で、家族と歩くとどんどん置いていかれてしまって。
脚を伸ばして、力を入れてみてください。……左は力が入りませんね。もう一度。こちら側は。
右の方がまだ入ります。左がものすごく痛くて。
脚を上げると、ここで止まるのが分かりますか。今はこのぐらいです。力が入りにくい原因は、腕とのつながりにあります。まず腕から取っていきますね。
脚なのに、腕から来ているんですか。
腕からつながっているんです。骨密度も低くて骨がもろい状態ですから、強い力ではなく軽い負荷で進めます。無理に押すとかえって痛めてしまいますからね。
お願いします。
これで脚を上げてみてください。……あららら、すごく上がるようになりましたね。お尻の板のような硬さも取れました。立ち上がってみましょう。
さっきはほとんど立ち上がれなかったのに、自分の力で立てました。背筋が伸びたのがびっくりです。先生も大変だったろうなと思いながら受けていました。ありがとうございました。
長年の激痛・慢性痛という悩みを抱えた方の症例です。治療に多額の費用をかけても、強い痛みが続いていた女性という生活上の困りごとから、問診と動作検査、施術前後の変化までを紹介しています。
六層連動操法は、痛みの原因を痛む場所だけに求めません。皮膚から骨まで六つの層の癒着や、筋膜のつながりをたどり、離れた部位(お腹・胸郭・首・過去の手術痕など)から動きを取り戻します。この症例でも、痛む場所とは別の部位に着目して施術しています。
六層連動操法は、セミナーを修了した認定施術者が全国・海外の治療院で行っています。お近くの認定治療院は「全国の治療院」ページからお探しください。
同じ悩みの症例をまとめて読めるほか、お近くの認定治療院で施術を受けられます。