CASE 39 脊髄損傷・腰痛
「神経が切れている」と断られ続けた9年

脊髄損傷の方の右腰の痛み——手術で癒着した胸郭とお腹を検査

▶ 施術動画をYouTubeで見る

脊髄損傷で下半身が麻痺し、9年間つづく右腰の痛みを「神経が切れている」と断られてきた女性が登場

今回は出張施術です。9年前、パラグライダー中の落下で脱臼骨折し、脊髄を損傷。胸椎12番の脱臼骨折で下半身は完全麻痺。長時間車椅子に座るとしびれと痛みが出て「石のように硬い」、夜は眠れず朝は起きられない状態で、東京まで来られないため先生が自宅へ伺いました。

沖倉先生

一番困っているのはどこですか。

患者さん

麻痺していない部分なんですけど、右側の腰がずっと硬くて痛いんです。左は気にならなくて、本当に右だな、という感じです。寝た状態でも常に痛いです。

「神経が切れている」と告げた途端に

患者さん

(ご主人)有名な整体院で「実は神経が切れているんです」と話した途端に「もう出ません」と言われて、施術が終わってしまって。脊髄損傷を治してほしいんじゃなくて、腰痛を治してほしいんですけど。

沖倉先生

病院勤務の頃に脊髄損傷の方をたくさん診てきました。麻痺している方はリスクも伴うので怖いというのは分かります。でも痛みを取ることに対しては可能性があります。

足を触っただけで分かる、胸郭とお腹の硬さ

沖倉先生

胸郭の前側、胸の真ん中あたりがすごくガチガチです。お腹の中もすごく硬い。

患者さん

足を触っているだけなのに、ですか。先生、後出しになるんですけど、ボルトで固定した後に骨盤と肋骨の一部を取って前から埋める移植手術をしているんです。

「それですね。足がこれだけ硬いのはそういうことがあるからです」と先生。股関節が緩すぎるため脚を牽引し、後ろ側から施術します。

手術で癒着した筋膜を剥がす

沖倉先生

あれ、でも何か抜けましたよね。痛み自体が変化してきましたよね。手術によってボルトで固定されている筋肉や筋膜、脂肪組織がそこで癒着しているから痛いんです。ボルト固定という話を聞いて、それだったら望みがあるなと。

息が深く吸える

沖倉先生

胸郭の前側が緩むと、開いたり閉じたりの動きが楽になります。硬いから動けなかったんです。

患者さん

すごく自然に深く息が吸えている気がします。無理だよと言われることも多かったですし、何より1回でこんなに楽になるのがすごく良かったです。

動画で交わされた詳しい問診

沖倉先生

脊髄損傷で下半身が完全麻痺ということですね。

患者さん

胸椎の12番の脱臼骨折です。その部位の右側がずっと硬くて痛くて。左は痛み自体そんなに気にならなくて、本当に右だなという感じです。座った姿勢を取るのが苦痛で、今の腰痛を抱えたうえで車椅子で移動して娘も一緒に、というのが難しかったので、先生に相談させてもらいました。

沖倉先生

朝がつらいと言っていましたよね。

患者さん

起きられないです。夜あまり眠れないので、朝方は眠たいから寝かせてくれ、という感じでずっと来ています。

患者さん

(ご主人)僕も整体の仕事をする前は分からないので、妻を連れていろんなところを回ったんです。でも脊髄損傷というだけで拒否されてしまったり。有名な整体院で「実は神経が切れているんです」と話した途端、「もう出ません」と言われて施術が終わってしまって。

沖倉先生

僕は病院勤務が長くて、回復期病棟と慢性期病棟を両方同時に診ていました。脊髄損傷の方は医療扱いなので、自宅で介護できない方が多いんです。麻痺している方の取り扱いはリスクも伴うので怖いというのは分かります。でも痛みを取ることに対しては可能性があります。

患者さん

このままの姿勢では眠れないので、横向きになって背中とお腹を伸ばすと一瞬ストレッチがかかって楽になって、こうやって眠っています。でも今度は腰が痛くなってきて、お腹の張りも増してきて。

動作検査と施術中のやり取り

沖倉先生

足の方から評価していきます。胸郭の前側、胸の真ん中あたりがすごくガチガチですね。お腹の中もすごく硬い。前と中身と後ろの内側です。

患者さん

足を触っているだけなのに、ですか。この麻痺している足で分かるんですか。

患者さん

先生、後出しになるんですけど、ボルトで固定した後に安定感が得られないので、2週間後に骨盤の一部と肋骨の一部を取って、前から埋める移植手術をしているんです。横ももしかしたら切っています。

沖倉先生

了解です。それですね。そこで引っかかる感じが余計にあるはずです。お腹の中身とつなげようと思っても股関節が緩すぎてつなげられないので、少し牽引します。お腹の前側はとりあえず置いておいて、後ろ側からやっていきます。ここらへん、ばっちりですね。

沖倉先生

あれ、でも何か抜けましたよね。痛み自体が変化してきましたよね。手術の影響で、ボルトで固定されている筋肉だとか筋膜だとか脂肪組織がそこで癒着しているから痛いんです。ここで引っ張られるやつがあるんです。これも少し引っ張ってみます。

患者さん

今押されて痛いと言っていたのが、もうそこまで痛くないです。めっちゃ気持ちいい。気になっているところに手が届いている感じがします。

沖倉先生

人の体は皆さん同じですから、麻痺していてもしていなくても、硬い柔らかいの差は相当ありますが、できるんです。この筋肉はほぼ使えない筋肉なので、紐みたいなものが抜ける感触で抜けてきます。これで1回上を向きましょう。

患者さん

楽になっています。右の違和感がないから、どっちがどうという感じがなくなりました。

沖倉先生

腰が痛いとそのうち肩甲骨から来て頭痛にいくんです。肩甲骨を今動かしています。

患者さん

実はさっきから頭が痛かったんですけど、今楽になってきました。仰向けはあまりやったことがなくて限界なので。

沖倉先生

では横向きでやりましょう。上半身は明らかに手の使いすぎでなっている部分が多いので、こちらは簡単です。

施術後の再検査

患者さん

すごい、すごい楽になりました。首も寝ていてペッタリしています。

患者さん

座りやすい。ここの引っ張りがすごく緩んでいる。胸郭が取れたから、ということですか。

沖倉先生

そうです。胸郭の前側が緩むと、開いたり閉じたりの動きが楽になるわけです。硬いから動けなかった。

患者さん

すごく自然に深く息が吸えている気がします。1回でこんなに楽になるというのがすごく良かったです。

患者さん

(ご主人)麻痺して動いていない筋肉が繋がった手応えがあって。確実に「抜けた」というタイミングで緩んだなという感覚があって、先生が私より先に言っている時がありましたよね。一番きつかったところがないおかげで、体が変わりやすくなっています。

FAQ

この症例についてよくある質問

この症例では、どのような悩みが紹介されていますか?

脊髄損傷・腰痛という悩みを抱えた方の症例です。「神経が切れている」と断られ続けた9年という生活上の困りごとから、問診と動作検査、施術前後の変化までを紹介しています。

なぜ痛む場所ではなく、離れた部位を施術するのですか?

六層連動操法は、痛みの原因を痛む場所だけに求めません。皮膚から骨まで六つの層の癒着や、筋膜のつながりをたどり、離れた部位(お腹・胸郭・首・過去の手術痕など)から動きを取り戻します。この症例でも、痛む場所とは別の部位に着目して施術しています。

この施術は、どこで受けられますか?

六層連動操法は、セミナーを修了した認定施術者が全国・海外の治療院で行っています。お近くの認定治療院は「全国の治療院」ページからお探しください。

腰痛・坐骨神経痛・脊柱管狭窄症でお困りの方へ

同じ悩みの症例をまとめて読めるほか、お近くの認定治療院で施術を受けられます。

解説:整体やマッサージに通っても戻る理由 → 解説:筋膜の癒着は嘘?本当? → 腰痛・坐骨神経痛・脊柱管狭窄症の症例をまとめて見る → 近くの認定治療院を探す → 公式LINEで最新情報を受け取る →
症例一覧へ戻る →
← CASE 38 30年の腰痛と全身の突っ張り——小指側のバックラインと脚の筋肉を検査 CASE 40 中学から続く立ちくらみと頭痛——胸郭の内側の硬さと自律神経を検査 →

この施術は、お近くでも受けられます。

六層連動操法のセミナーを修了した認定施術者が、全国の治療院で施術を行っています。

全国の認定治療院を探す →

施術動画は、公式YouTubeで。

重症患者の症例動画やセルフケアを配信中。チャンネル登録者1.3万人超。

公式YouTubeチャンネルへ → お問い合わせ