今回は出張施術です。9年前、パラグライダー中の落下で脱臼骨折し、脊髄を損傷。胸椎12番の脱臼骨折で下半身は完全麻痺。長時間車椅子に座るとしびれと痛みが出て「石のように硬い」、夜は眠れず朝は起きられない状態で、東京まで来られないため先生が自宅へ伺いました。
一番困っているのはどこですか。
麻痺していない部分なんですけど、右側の腰がずっと硬くて痛いんです。左は気にならなくて、本当に右だな、という感じです。寝た状態でも常に痛いです。
(ご主人)有名な整体院で「実は神経が切れているんです」と話した途端に「もう出ません」と言われて、施術が終わってしまって。脊髄損傷を治してほしいんじゃなくて、腰痛を治してほしいんですけど。
病院勤務の頃に脊髄損傷の方をたくさん診てきました。麻痺している方はリスクも伴うので怖いというのは分かります。でも痛みを取ることに対しては可能性があります。
胸郭の前側、胸の真ん中あたりがすごくガチガチです。お腹の中もすごく硬い。
足を触っているだけなのに、ですか。先生、後出しになるんですけど、ボルトで固定した後に骨盤と肋骨の一部を取って前から埋める移植手術をしているんです。
「それですね。足がこれだけ硬いのはそういうことがあるからです」と先生。股関節が緩すぎるため脚を牽引し、後ろ側から施術します。
あれ、でも何か抜けましたよね。痛み自体が変化してきましたよね。手術によってボルトで固定されている筋肉や筋膜、脂肪組織がそこで癒着しているから痛いんです。ボルト固定という話を聞いて、それだったら望みがあるなと。
胸郭の前側が緩むと、開いたり閉じたりの動きが楽になります。硬いから動けなかったんです。
すごく自然に深く息が吸えている気がします。無理だよと言われることも多かったですし、何より1回でこんなに楽になるのがすごく良かったです。
脊髄損傷で下半身が完全麻痺ということですね。
胸椎の12番の脱臼骨折です。その部位の右側がずっと硬くて痛くて。左は痛み自体そんなに気にならなくて、本当に右だなという感じです。座った姿勢を取るのが苦痛で、今の腰痛を抱えたうえで車椅子で移動して娘も一緒に、というのが難しかったので、先生に相談させてもらいました。
朝がつらいと言っていましたよね。
起きられないです。夜あまり眠れないので、朝方は眠たいから寝かせてくれ、という感じでずっと来ています。
(ご主人)僕も整体の仕事をする前は分からないので、妻を連れていろんなところを回ったんです。でも脊髄損傷というだけで拒否されてしまったり。有名な整体院で「実は神経が切れているんです」と話した途端、「もう出ません」と言われて施術が終わってしまって。
僕は病院勤務が長くて、回復期病棟と慢性期病棟を両方同時に診ていました。脊髄損傷の方は医療扱いなので、自宅で介護できない方が多いんです。麻痺している方の取り扱いはリスクも伴うので怖いというのは分かります。でも痛みを取ることに対しては可能性があります。
このままの姿勢では眠れないので、横向きになって背中とお腹を伸ばすと一瞬ストレッチがかかって楽になって、こうやって眠っています。でも今度は腰が痛くなってきて、お腹の張りも増してきて。
足の方から評価していきます。胸郭の前側、胸の真ん中あたりがすごくガチガチですね。お腹の中もすごく硬い。前と中身と後ろの内側です。
足を触っているだけなのに、ですか。この麻痺している足で分かるんですか。
先生、後出しになるんですけど、ボルトで固定した後に安定感が得られないので、2週間後に骨盤の一部と肋骨の一部を取って、前から埋める移植手術をしているんです。横ももしかしたら切っています。
了解です。それですね。そこで引っかかる感じが余計にあるはずです。お腹の中身とつなげようと思っても股関節が緩すぎてつなげられないので、少し牽引します。お腹の前側はとりあえず置いておいて、後ろ側からやっていきます。ここらへん、ばっちりですね。
あれ、でも何か抜けましたよね。痛み自体が変化してきましたよね。手術の影響で、ボルトで固定されている筋肉だとか筋膜だとか脂肪組織がそこで癒着しているから痛いんです。ここで引っ張られるやつがあるんです。これも少し引っ張ってみます。
今押されて痛いと言っていたのが、もうそこまで痛くないです。めっちゃ気持ちいい。気になっているところに手が届いている感じがします。
人の体は皆さん同じですから、麻痺していてもしていなくても、硬い柔らかいの差は相当ありますが、できるんです。この筋肉はほぼ使えない筋肉なので、紐みたいなものが抜ける感触で抜けてきます。これで1回上を向きましょう。
楽になっています。右の違和感がないから、どっちがどうという感じがなくなりました。
腰が痛いとそのうち肩甲骨から来て頭痛にいくんです。肩甲骨を今動かしています。
実はさっきから頭が痛かったんですけど、今楽になってきました。仰向けはあまりやったことがなくて限界なので。
では横向きでやりましょう。上半身は明らかに手の使いすぎでなっている部分が多いので、こちらは簡単です。
すごい、すごい楽になりました。首も寝ていてペッタリしています。
座りやすい。ここの引っ張りがすごく緩んでいる。胸郭が取れたから、ということですか。
そうです。胸郭の前側が緩むと、開いたり閉じたりの動きが楽になるわけです。硬いから動けなかった。
すごく自然に深く息が吸えている気がします。1回でこんなに楽になるというのがすごく良かったです。
(ご主人)麻痺して動いていない筋肉が繋がった手応えがあって。確実に「抜けた」というタイミングで緩んだなという感覚があって、先生が私より先に言っている時がありましたよね。一番きつかったところがないおかげで、体が変わりやすくなっています。
脊髄損傷・腰痛という悩みを抱えた方の症例です。「神経が切れている」と断られ続けた9年という生活上の困りごとから、問診と動作検査、施術前後の変化までを紹介しています。
六層連動操法は、痛みの原因を痛む場所だけに求めません。皮膚から骨まで六つの層の癒着や、筋膜のつながりをたどり、離れた部位(お腹・胸郭・首・過去の手術痕など)から動きを取り戻します。この症例でも、痛む場所とは別の部位に着目して施術しています。
六層連動操法は、セミナーを修了した認定施術者が全国・海外の治療院で行っています。お近くの認定治療院は「全国の治療院」ページからお探しください。
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