CASE 59 交通事故後遺症
事故から数十年、かかとが床に着いた

交通事故で固まった足首と腰——骨折部の癒着が肋骨の裏まで

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20代の交通事故で右脚を複雑骨折——足首が90度も曲がらず、坂道と腰に悩む男性が登場

沖倉先生

初めまして、よろしくお願いいたします。20代の時に、脚のほうを交通事故に遭われたということで。

患者さん

通勤途中にバイクで通っていて、右側から巻き込まれるような形で、正面から来た車のフロントが脚のここに来たんですよ。脚は挟まった状態だから、ここでバキバキッと。細い方の骨はもうバラバラで、骨が出ちゃったものだから。

感染しないよう1か月ほど重りで牽引してから固定の手術。その1か月は寝たきりで、右の足首はそのまま固まって動かなくなり、今も90度まで曲がりません。しゃがむことがまずできないといいます。すねの骨の盛り上がった部分には亀裂が入り、少しずれかかったまま。内側にも折れた跡があり、3か所ほどの骨折。周りの筋肉はパンパンに張っています。病院では「手術するのか、諦めるか」と言われ、諦めてきたそうです。

患者さん

一番嫌なのはやっぱり坂道ですね。左脚はかかとから行くんだけど、右脚だけつま先からになっちゃう。そうすると足首と足の方が辛くなってくるんですよ。腰も痛いです。ひどくなってくるとお尻の方までしびれてきて。

右脚は持ち上げるようにして歩くのが癖に。右の小指だけ内側へ回り込んで靴に当たって腫れ、靴が履きにくいとのこと。しゃがみ込みはごく浅い所が限界で、それ以上は右のかかとが浮いてしまいます。

見立て——骨折部に残った癒着と、お腹・腰への影響

沖倉先生

足首を動かそうとすると、ここで制限があります。抵抗しているのは脛骨よりも腓骨側、距腿関節というところで固まっているので、そこをやります。内側を通る筋肉もすごく硬い。脛骨の骨折部で癒着が激しく残っていて、腓腹筋とヒラメ筋の間で出血していたから、その間の筋肉が癒着しています。

沖倉先生

実はこの脚の複雑骨折が、お腹に影響してくるんです。お腹が硬い原因は複雑骨折の影響。腸が働きにくいんですよね。お酒を飲むとかなり下痢になる人が多いです。

患者さん

食べたらすぐ出ます。さすが先生。あとね、立っているとだんだん辛くなってきます。40分立てば痛くなります。腰も辛いんですよ。

沖倉先生

腰が辛いのも、結局はこっちの脚の影響なんですよね。

施術中——一番深い所の癒着を引き剥がす

ふくらはぎの後ろ側の癒着をだいぶ取ったあと、膜の後ろにある筋肉と膜との間の塊——一番深い層を引き剥がしていきます。本人も「分かる気がする、内側の筋肉かな」「伸びてる感じ」と、動いた瞬間が分かる様子。股関節から脚の前面が硬い影響で、朝に脚が突っ張る症状にもつながっていると先生。

沖倉先生

かなり抜けましたね。これはオッケーです。かかとが床に着くということは、アキレス腱が伸びているんですよ。明らかに変わっていますからね。

患者さん

すげえ。おお、来た。さっきより全然違いますよ。押さえられている所が硬いのは分かるんだけど、やっているうちにだんだん柔らかさを感じてくる。だんだん恐怖心も、楽しいなっていうか。

施術後の解説——傷口から肋骨の裏までつながっていた

骨の模型を手に、先生が癒着の仕組みを説明します。骨折後の出血を直そうとして出る接着剤のような粘着物質が、隣の違う筋肉や骨までくっつけてしまい、筋肉と骨が滑らなくなる——それが癒着。筋肉は長いラインでつながっているため、今回は脛骨の傷口から腰の前側、太ももの前、肋骨の裏側まで硬さがはっきりしていたとのことでした。

患者さん

へえ、肋骨の裏ですか。肋骨の裏まで。

沖倉先生

ここが硬くなると横隔膜も硬くなり、呼吸がしにくくなり、腸の蠕動運動も鈍くなっていた。今はお腹も緩くなっているので、消化不良も起こしにくくなります。

動画で交わされた詳しい問診

沖倉先生

初めまして、よろしくお願いいたします。20代の時に、脚のほうを交通事故に遭われたということですね。

患者さん

通勤途中にバイクで通っていて、右側から巻き込まれるような形で、正面から来た車のフロントが脚のここに来たんですよ。その時もう吹っ飛ぶんだけど、脚は挟まっている状態だから、ここでバキバキバキッと。細い方の骨はもうバラバラで、骨が出ちゃったものだから。

患者さん

感染しないように、1か月ぐらいずっと重りで牽引して。吊って固めてから金具を付けるっていう。その1か月間は寝たきりの状態で、それで足首もそのまま固まって動かなくなっちゃった。右足の足首は90度曲がらないんですよ。しゃがむことがまずできない。

沖倉先生

ここの骨の盛り上がっている部分に亀裂があって、このあたりで割れている、というかちょっとずれかかっているというのはありますね。内側もありますよね。3か所ぐらいで折れたということですね。

沖倉先生

あと周りの筋肉がすごいパンパンになっている。今触っていて分かります。病院では手術するのか諦めるか、みたいになってしまうと。

患者さん

諦めますか、と。一番嫌なのがやっぱり坂道ですね。

患者さん

左脚はかかとから行くんだけど、右脚だけやっぱりつま先からになっちゃうんで。そうすると足首とやっぱり足の方が辛くなってくるんですよ。

沖倉先生

それで右脚を上げて歩いているんですか。

患者さん

上げて歩いています。いや、これは障害が残っているからしょうがないと。こっちから来ているのか、やっぱり腰も痛いです。ひどくなってくるとお尻の方までしびれてくるんで。40代になったら多分仕事ができなくなるって。

沖倉先生

足首は、こっちは行くけど、こっちはこうなんですね。

患者さん

そうなんです。小指も右側だけ内回りになっちゃっているから、ここが当たるようになって腫れちゃっているんですよね。だから靴とかも、なんか履きにくくて。

沖倉先生

しゃがんでみてください。

患者さん

これが限界です。これ以上行くと、ここから先はもう右足が浮き始めますから。

動作検査と施術中のやり取り

沖倉先生

足首を曲げようとすると、ここでもう制限がありますね。ここで抵抗しているのが脛骨よりも腓骨側です。腓骨側の距腿関節というところ、こっちで今固まっているので、そこをやります。

沖倉先生

これは母趾外転筋という筋肉で、ここがかなり膨らんでいて、内側を通るこっちの筋肉がすごく硬いですね。多分この脛骨の骨折部のところで癒着が結構激しく残っています。

沖倉先生

腓腹筋とヒラメ筋の間で出血しているから、その間の筋肉が癒着しているんです。そこを少し取っていけば制限は取れてくるというのは分かります。今、後ろの部分はだいぶ取りました。

沖倉先生

実はですね、この脚の複雑骨折というのが、お腹に影響してくるんですよ。お腹が硬い原因は複雑骨折の影響なんです。腹痛が起こったりだとか、消化不良が起こったりだとか、腸が働きにくいんですよね。お酒を飲むとかなり下痢になる人が多いです。

患者さん

食べたらすぐ出ます。さすが先生。あとね、立っているとだんだんと辛くなってきます。全身で、腰も辛いんですよ。

沖倉先生

腰も辛いのは、結局こっちの影響なんですよね、この場合は。

患者さん

ただずっと立っているってできないですよ。40分立てば痛くなります。

沖倉先生

だいぶ取れてきますよ。何となく分かりますよね、周りが柔らかくなってきている気が。今は深層の部分を引き剥がしていますので。ここに癒着がありますので、膜の後ろにある筋肉と、その膜との間の塊です。そこを今動かしています。だから一番深いところです。

患者さん

分かる気がする。内側の筋肉かな。伸びてる感じですね。

沖倉先生

これ、今動きましたね。

患者さん

すげえ。渋いことは渋いんですけど、だいぶいいですよ。

沖倉先生

オッケーです。可動域もかなり変わって、全然違う。この部分からがすごく張っていて、そこからつながっている部分がここね。

患者さん

経験ですね。

沖倉先生

いや、経験じゃない。今は感覚です。朝に脚が突っ張るという裏側の症状も、もちろんこっちの硬さもそうですけど、股関節からこの前面の前側が硬い影響というのが結構ありますね。……これ、抜けましたね。かなり抜けました。これでオッケーです。

患者さん

かなり柔らかくなりました。

沖倉先生

アキレス腱が伸びている、分からないでしょう。かかとが着くということは、アキレス腱が伸びるんですよ。明らかに変わっていますからね。

患者さん

すごい。おお、来た。だいぶいい。さっきより全然違いますよ。

沖倉先生

さっきと全然違う。押さえている所はどうですか。

患者さん

全然かけ離れている。ここが押されていても、反発というか硬いというのが分かるんです。なんだけど、それをやっているうちにだんだんだんだん柔らかさを感じてくる。腰も、もうそろそろ抜けそうとか言っている時も、こっちもなんか分かる。確かになんか柔らかくなりそう、みたいな。だから、だんだん恐怖心も楽しいなっていうか。

沖倉先生

そっちの方が良かったですね。

施術後の解説

沖倉先生

脛骨の周りには筋肉がこういう風にあって、骨折した箇所からその筋肉と骨がこびりついているんですね。骨折した後に出血して、損傷した組織を直そうとする時に接着剤みたいな粘着物質が出てくる。同じ組織同士を修復すればいいんだけれども、違う筋肉や骨までくっつけてしまって、筋肉と骨が滑走不全で動けなくなる。それが癒着なんですよ。

沖倉先生

筋肉は長いラインでつながっているので、長年固まると、内側の筋肉から腰の前側、前脛骨筋から大腿の前側へと来ます。今日は肋骨の裏側にこびりついていたのが、この筋肉の硬さから来ていたんですね。傷口から肋骨への癒着が、すごい硬さではっきりしていました。

患者さん

へえ、肋骨の裏ですか。肋骨の裏まで。

沖倉先生

ここが硬くなると横隔膜も硬くなるし、呼吸がしにくくなるし、つながっている腸の蠕動運動が鈍くなっていた。今はお腹も緩くなっているので、消化不良も起こしにくくなります。お酒、飲めますね。

沖倉先生

飲んでも悪酔いしないというか、下痢になりにくい体にはなってくるはずです。脛骨側の裏側の筋肉が脛骨にくっついている、その滑走不全を引き剥がしたり、筋肉と筋肉の間の動かなさを解消している感じです。

FAQ

この症例についてよくある質問

この症例では、どのような悩みが紹介されていますか?

交通事故後遺症という悩みを抱えた方の症例です。事故から数十年、かかとが床に着いたという生活上の困りごとから、問診と動作検査、施術前後の変化までを紹介しています。

なぜ痛む場所ではなく、離れた部位を施術するのですか?

六層連動操法は、痛みの原因を痛む場所だけに求めません。皮膚から骨まで六つの層の癒着や、筋膜のつながりをたどり、離れた部位(お腹・胸郭・首・過去の手術痕など)から動きを取り戻します。この症例でも、痛む場所とは別の部位に着目して施術しています。

この施術は、どこで受けられますか?

六層連動操法は、セミナーを修了した認定施術者が全国・海外の治療院で行っています。お近くの認定治療院は「全国の治療院」ページからお探しください。

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