CASE 32 顔面神経麻痺
7年間、まばたきや食事、会話に不自由を抱えていた男性

7年間続く顔面神経麻痺——首・胸郭・顔のつながりを検査

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7年間、顔面神経麻痺に悩む男性が登場

沖倉先生

顔面神経麻痺ということですね。発症されたのはいつ頃ですか。

患者さん

7年前です。原因は不明で、右の顔が動かなくて、まばたきができず、ドライアイになります。基本的にマスクは外せない感じです。

ある日突然、目に物が入ったような違和感があり、周りの人に「顔がおかしいよ」と言われて病院へ。はじめはベル麻痺を疑われましたが、それとは違い、原因は不明のままでした。脳のMRIを撮っても関係するものは見つからず、7年が経っていました。

症状/困っている場面

患者さん

感覚がないわけではないんです。触れば分かります。ただ、ご飯を食べようとすると右目が閉じてしまったり、頬がひきつって出たりします。

右のまつ毛は目やにで固まり、抜けてしまう。右側は下も赤くなり、眼科でドライアイの薬をもらっていました。何より、発症してから7年間、家族以外の誰とも食事に出かけられていない——それがずっとコンプレックスだったといいます。

沖倉先生

7年間、そうやって人と食事に行けないというのは、それだけ気持ちの負担も大きかったと思います。

患者さん

そうですね。低周波の電気を通してみたり、動画を見てカッサを自分でやってみたり。歯から来るんじゃないかと歯医者にも行きましたし、鍼もしてみました。

減圧術を受けても変化がなかった経過

患者さん

1週間ほど入院して、顔面神経の減圧術を受けました。神経の通っている周りの骨を削って、圧迫を軽減するという手術で、9割はそれで治ると言われたんです。

沖倉先生

それでも治らなかった、と。

患者さん

はい。多少軽くなったかどうか、というくらいで、ほぼ治らずでした。その後の治療でも変化はなくて。形成外科では、筋肉を何本か切ってまぶたが閉じてしまうのを軽くするしかない、と言われましたが、それは様子を見ると言って断りました。

動作検査——口・目・発音を確認

沖倉先生はまず、いまの動きを一つずつ確かめます。口を大きく開けると偏りが出て違和感がある。右目を大きく開けようとしても、そこが最大。笑って外側へ引く動きも、右側は難しい。仕上げに「あ・い・う・え・お」と発音してもらい、口を開ける動きと目を大きく開ける動きがいちばん分かりやすい指標だと確認しました。

沖倉先生

口を大きく開けてみてください。……偏りがありますね。これは分かりやすい。もう一度、大きく。次に右目を大きく開けて。これが最大ですね。笑ってみてください。外側に引くのが、こちら側は難しいですね。

患者さん

そうですね。右側だけ、うまく動かない感じです。

顔だけでなく、体の前側・首・腕に着目

沖倉先生

顎を触らせてくださいね。……この膜がすごく固まっています。こちらは平気、ここは平気で、顔のここ。ここで強い癒着がある。頭のここも固まって、鼻の方は平気。両方から影響していそうです。

患者さん

固まっているんですか、僕。

沖倉先生

固まっています。だから体中から顔面に影響が起きている可能性が高い。顔だけから来る問題ではなさそうなんです。

沖倉先生の見立てはこうです。顔面神経の前側に波及する筋膜のつながり——体でいうフロントライン、腕でいうディープフロントアームライン(親指側)が硬く現れている。さらに腰椎、第1胸椎から第7頸椎あたりまでがカチカチに固まり、その前側の硬さが首筋を通って顔へ及んでいる。ここを先に緩めない限り、顔面の症状は軽くなってこない、という道筋でした。

施術——足・肩から顔へ

施術は足から始まり、体の前側をルートとしてたどっていきます。肩では、鎖骨と肩甲骨のあいだ、肩鎖関節の動きがとても悪く、その中が固まっていました。ここが首筋を通って顔の緊張につながっている——そう見立てて、まず一つ、癒着を外していきます。

沖倉先生

いま、肩の前側、鎖骨と肩甲骨のあいだの固まりを一つ外しました。どうですか。

患者さん

変わっている気がします。耳の奥……なんて言うんでしょう、神経が動き出しそうな感じがします。

施術後の変化

もう一度「あ・い・う・え・お」。表情のひきつりが消え、頬が上がるようになっていました。施術前はかなり引きつっていた顔が、いまはマスクをしていなくても気にならない。本人も鏡を見て言葉が止まります。

患者さん

本当に全然違いますね。とにかくすごい。最初からここに来れば良かったのでは、という感じです。

沖倉先生

頬、かなり上がっていますよ。喋りやすさはどうですか。

患者さん

喋りやすいです。発声が全然違います。鍼治療をしても、こんなに頬は上がらなかったですから。

動画で交わされた詳しいやり取り

沖倉先生

ドクターからは、顔面神経麻痺として、三叉神経のことなど何か説明はありましたか。

患者さん

原因不明で、これ以上は分からない、と。脳のMRIを撮っても関係ないと言われました。ベル麻痺を疑われたけれど、それとも違っていて。

沖倉先生

発症したとき、体に違和感のようなものはありましたか。

患者さん

ないんです。ある日突然でした。目に物が入ったような感じがして、周りに「顔がおかしいよ」と言われて病院へ行きました。毎日通ってくださいと言われて。

沖倉先生

その後、ご自分でも色々と試されたんですね。

患者さん

低周波の電気、カッサ、歯医者、鍼……できることはやってみました。でも基本、マスクは外せないままで。7年間、家族以外とは食事に行けていません。

沖倉先生

検査をすると、口を大きく開けたときの偏りと、右目を開ける動きがいちばん分かりやすい。笑って外側へ引くのも、右側が難しいですね。ただ、顔だけの問題ではなさそうです。顎の膜も、頭も、体の前側もかなり固まっている。

患者さん

固まっているんですか、僕自身が。

沖倉先生

はい。前側を通る筋膜が首筋を通って顔面に来ています。腕はディープフロントアームライン、体はフロントライン。腰椎から第1胸椎、第7頸椎あたりまで固い。ここを緩めないと顔は軽くなってこない。だから足から、肩の前側から取っていきます。

患者さん

正直、なんで足をやるんだろう、腕なんて関係ないじゃないか、という感じだったんですけど。

沖倉先生

つながっているんですよ。喉を通して顔面の中まで膜が続いている。そこの緊張が強いと、喉からこちらの筋肉を下へずり下げるような力が働いてしまう。いま、その一つを外しました。

患者さん

響いたのが分かりました。足から、肩からやっていて、触っていない場所にちゃんと響くんですね。耳の奥で神経が動き出しそうな感じがします。

沖倉先生

いちばん癒着していたのがこのあたりです。内側翼突筋・外側翼突筋が奥にくっついていて、それが顎をこちら側へ引っ張っていた。コッと外した瞬間、ここに抜けた感じがありましたね。首の緊張や、足・股関節の固さも首筋を通して顔の緊張に影響していました。最終的には、この顎まわりを直接ゆるめた部分がいちばん効いたと思います。

患者さん

不思議ですね。骨をボキボキするやつ、癒着を剥がすやつ、色々見てきましたけど、こんなに違うとは。表情も、さっきまでかなり引きつっていたのが、いま見たら全然。マスクをしないでも大丈夫です。

沖倉先生

喋りやすさも変わりましたね。音声だけでは伝わりにくいかもしれませんが、発声が全然違う。

患者さん

喋りやすいです。本当にありがとうございました。最初からここに来れば良かった、という気持ちです。

FAQ

この症例についてよくある質問

この症例では、どのような悩みが紹介されていますか?

顔面神経麻痺という悩みを抱えた方の症例です。7年間、まばたきや食事、会話に不自由を抱えていた男性という生活上の困りごとから、問診と動作検査、施術前後の変化までを紹介しています。

なぜ痛む場所ではなく、離れた部位を施術するのですか?

六層連動操法は、痛みの原因を痛む場所だけに求めません。皮膚から骨まで六つの層の癒着や、筋膜のつながりをたどり、離れた部位(お腹・胸郭・首・過去の手術痕など)から動きを取り戻します。この症例でも、痛む場所とは別の部位に着目して施術しています。

この施術は、どこで受けられますか?

六層連動操法は、セミナーを修了した認定施術者が全国・海外の治療院で行っています。お近くの認定治療院は「全国の治療院」ページからお探しください。

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