生活で一番支障が出ているのは、立っている時ですか?
朝礼などでじっと立つと、2分ほどで膝やふくらはぎが重く、しびれてきます。脚が石みたいになります。
現在は高校教員として勤務し、以前はダンサーとして活動していたクライアントさん。症状は10年以上前から続き、つま先で床を押した力が身体の上へ抜ける、ダンス特有の感覚も失われていました。
立っていると脚が細かく震え始め、つま先へ体重をかけると症状がより早く出現。後屈では腰だけでなく、喉の前にも強い引っ張り感がありました。
股関節を曲げると腰が詰まり、不思議なことに喉まで引っ張られます。
腰椎5番付近と、背面のハムストリングス・多裂筋が強く固まっています。
表面から揉むだけでは届きにくい多裂筋周辺へ、足からつながる膜を利用してアプローチ。ハムストリングスの付け根、仙結節靭帯、胸腰筋膜の滑走を引き出していきます。
おおっ! 筋肉がこんなふうに柔らかくなるんですね。硬いものがなくなったのが分かります。
腰を直接揉まず、脚から引くことで背骨の深い膜を滑走させています。
施術後、同じ条件で立位を再検査。約2分立っても脚の重さや震えが出にくく、左右均等に床を踏めています。後屈時の詰まりも変化しました。
左右に引っかかるところがなく、楽に立てます。床を押す力が身体へつながる感覚も戻りました。
痛みをかばわず表現に集中できそうです。これから自分の踊りがどう変わるのか楽しみです。
歩いている時と、じっと立っている時では、どちらがつらいですか?
じっと立つ方です。朝礼で話していると、2分ほどで両脚が石のように重くなります。
重さは太もも、膝、ふくらはぎのどこから始まりますか?
膝の周りからふくらはぎへ広がり、その後しびれて立っていられなくなります。
授業や踊りの場面でも、同じ症状を気にしながら動いていますか?
はい。踊ることは好きなのに、脚をかばうことで表現より痛みへ意識が向いてしまいます。
10年以上続くと、立ち方そのものも少しずつ変わってきます。
どこへ体重を置けば楽なのか、いつも探しながら立っています。
普段どおり立ち、つま先側とかかと側へ交互に体重を移してください。
つま先側へ乗ると、膝の裏とふくらはぎがすぐ張ります。
股関節を曲げた時は、腰椎5番付近が詰まり、喉まで一緒に引かれています。
腰を曲げて喉がつれるのは、自分でも不思議でした。
太ももの裏と背骨の深い筋肉が固まり、足から入った力が体幹へ抜けていません。
だから脚だけで立っているような疲れ方をするんでしょうか。
その可能性があります。腰を強く押すのではなく、足元から順番に滑りを作ります。
触れられている足から、背中まで一本につながる感じがします。
先ほどと同じ位置で、まず2分間立ってみましょう。
時間がたっても脚が石のようになりません。左右どちらにも楽に体重を移せます。
つま先側へ乗った時の膝裏とふくらはぎはどうですか?
引っかかりません。床を押した力が腰や上半身まで伝わります。
では、普段の踊りで使うステップを小さく試してください。
脚だけを動かすのではなく、身体全体でステップを踏めます。軸もぶれません。
動けるようになった直後ほど、急に長時間使いすぎないことが大切です。
少しずつ慣らします。痛みを気にせず踊れる感覚が戻って、本当にうれしいです。
立位では膝を固めて耐えるのではなく、足裏から上半身まで力が流れる位置を思い出してください。朝礼でも途中で小さく重心を移して構いません。
脚だけで踏ん張らなくてよいと分かりました。授業でも舞台でも、この楽な軸を崩さずに立てる時間を少しずつ延ばします。