六層連動操法← セルフケア一覧
股関節痛

股関節の“かたさ”をゆるめる
セルフケア

あぐらがかけない、ズボンが履きにくい、お風呂がまたげない——。股関節のかたさは、前側の「かたい所」をゆるめると変わります。理学療法士が動画・図で解説します。

解説:六層連動操法 開発者・沖倉国悦(理学療法士)

こんなこと、ありませんか?

  • あぐら・開脚がしにくい
  • ズボンを履く・靴下をはくのがつらい
  • お風呂のまたぎ動作がしづらい
  • 歩くと股関節の前や外がつまる
  • 座っていると股関節が固まる

なぜ、股関節が固くなるの?

股関節が固い方は、前側(鼠径部)の組織が癒着して柔軟性を失っていることが多くあります。毎日ストレッチしてもやり方が少し違うだけで、なかなか結果が出ないことも。

かたさ(癒着)が、さらに炎症を悪化させることもあります(動画より)
かたさ(癒着)が、さらに炎症を悪化させることもあります(動画より)

しかも、この癒着は内側から外側まで広がっていることが多いもの。だからこそ、まず“かたい所”を見つけて、ピンポイントでゆるめるのが近道です。

股関節の前は、内側から外側まで癒着が広がっていることが多い(動画より)
股関節の前は、内側から外側まで癒着が広がっていることが多い(動画より)

かたい所をゆるめるセルフケア

まず“かたい所”を探すのがコツ。鼠径部(股関節の前)の内側・真ん中・外側を触って、かたい・痛い所を見つけます。

1

かたい所を押さえて、曲げ伸ばし曲げ伸ばし10回

鼠径部(股関節の前)で見つけたかたい所を、4本の指で押さえます。そのまま、股関節をその位置に向けて曲げ伸ばし10回程度。内側・真ん中・外側と、かたい所を変えながら行いましょう。

鼠径部のかたい所を4本の指で押さえ、股関節を曲げ伸ばし10回(動画より)
鼠径部のかたい所を4本の指で押さえ、股関節を曲げ伸ばし10回(動画より)

ケアの前後で、あおむけで膝をどこまで開けるか(あぐらの開き)を比べると、変化が分かります。

やるときの注意

無理は禁物。 痛気持ちいい” までにしましょう。

  • 強く押しすぎない・痛みが強いところは避ける
  • しびれ・鋭い痛みがあるときは中止する
  • 変形性股関節症など病気が疑われるときは医療機関へ

強い痛み・しびれ・長引く症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

股関節のかたさがなかなか変わらないときは、全身のつながりから見直すのが近道です。お近くの認定治療院で相談できます。

股関節のかたさは、腰・膝にも波及します

股関節は体の中心にある大きな関節。ここが動かないと、足りない分を腰と膝が肩代わりして動くことになり、腰痛・膝痛の引き金になります。

「腰や膝をケアしても戻る」という方は、実は股関節のかたさが根っこにある——ということがよくあります。あぐらや靴下はきがつらくなってきたら、腰・膝のためにも股関節をゆるめるサインです。

効果を高めるコツ

  • 入浴後に行うと、組織がゆるんで効果的
  • ケアの前後であぐらの膝の高さを比べる(写真を撮ると分かりやすい)
  • 押さえる強さは「イタ気持ちいい」の手前。曲げ伸ばしはゆっくり
  • かたい所は日によって変わります。毎回、内側・真ん中・外側を触って確認を

よくある間違い

股関節は大きな関節ですが、繊細な場所でもあります。

  • 反動をつけて無理に開脚する
  • かたい所を強くグリグリ押し込む
  • 鋭い痛み・しびれを我慢して続ける——すぐに中止してください

固めない習慣

股関節の前側は座っている間ずっと縮んでいます。30分〜1時間に一度立ち上がって腰を伸ばす、浅く座らず深く座る、1日の終わりに今回のケアを1〜2分——そんな些細な習慣が、翌朝の動きを変えます。

柔軟性全体を上げたい方は柔軟性を上げる癒着はがし、腰の重さには腰痛のセルフケアもどうぞ。

1日の取り入れ方(例)

股関節の前は「座るたびに縮む」場所。こまめなリセットが効きます。

  • :あおむけで膝を開き、その日の開きをチェック
  • 日中:座って30分〜1時間ごとに立ち上がり、脚の付け根を伸ばす
  • :入浴後、かたい所を押さえて曲げ伸ばし10回を内側・真ん中・外側で
  • 週に1回:あぐらの膝の高さを写真で比較

こんなときは受診を

股関節は、症状が進んでから気づかれやすい関節です。

次のような場合は、セルフケアより先に医療機関へ。

  • 脚の付け根の鋭い痛み・しびれ
  • 歩き始めや体重をかけたときに痛みが強く、日に日に悪化する
  • 脚の長さが明らかに変わった、脚を引きずる
  • 夜間痛がある、安静でも痛い

よくある質問

かたい所が見つけられません。
鼠径部(脚の付け根の前)を、内側・真ん中・外側とゆっくり触ってみてください。押すと少し痛い・かたく感じる所が目安です。
毎日ストレッチしても柔らかくなりません。
伸ばすだけでなく、かたい所を押さえながら曲げ伸ばしすると、癒着が動いてゆるみやすくなります。やり方の違いで結果が変わります。
何回やればいいですか?
1か所10回程度を目安に、かたい所を変えながら。痛みのない範囲で無理なく続けてください。
変形性股関節症と言われていますが、やっていいですか?
診断を受けている方は、主治医に相談のうえ、痛みのない範囲で行ってください。鋭い痛みが出る場合は中止しましょう。
左右で硬さが違います。
よくあることです。硬い側を中心に、左右差を比べながら行ってください。差が大きい・痛みを伴う場合は専門家に相談を。
毎日やっても大丈夫ですか?
はい。強く押しすぎなければ毎日行えます。1〜2分でも毎日続ける方が、週1回長くやるより効果的です。

もっと知りたい・相談したい方へ

その場のケアは動画で、根本の改善は治療院で。

※本記事は健康情報の提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。効果には個人差があります。しびれ・強い痛み・長引く症状がある場合は、医療機関にご相談ください。