CASE 42 変形性股関節症
座薬を入れてテニスを続けた末の両側末期股関節症

末期の変形性股関節症で歩くのがやっと——股関節前側と腸腰筋から腰へ

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両側とも末期の変形性股関節症で、歩いて来るのがやっと——腰椎のすべり症も抱える女性が登場

沖倉先生

両側とも末期の変形性股関節症ということで、こちらまで歩いて来られるのがやっと。腰椎のすべり症も手術した方がいいと言われているのですね。

患者さん

そうですね。なんか鉄の下敷きが入ったような硬さで、なんと言ったらいいか、もうカチカチで。

テニスは去年の11月まで試合に出ていました。座薬を毎日入れ、整形外科には「テニスはやめました、生活に必要だから薬をください」と言って薬をもらい、打ち続けていたそうです。試合が終わると立てない、トイレにも行けない。それでも引きずってコートへ向かっていました。今は歩く、方向転換、階段の上り下り、座る動作のすべてに痛みがあり、洋式トイレに座る時も「ズドン」と落ちそうで怖いといいます。

レントゲンを見て——腰椎と骨盤は操作しない

沖倉先生

先ほどレントゲンを見せていただきましたが、腰椎の状態も非常によろしくない。骨盤や腰椎は操作できません。安全確認をしながら、しっかりやっていきたいと思います。

動作検査では、股関節の前側と横側に痛み。歩いていても前側が痛く、かばいすぎて膝や足首もとても痛い。骨盤の後ろは常にカチカチです。外側へ開く動きは思ったより固くないものの、前側の制限が強く、脚の付け根の曲がる角度はほとんどありません。椅子に座れているのは腰を丸め、脚を伸ばしてなんとか座っている状態でした。

見立て——股関節の前側を抜けば、腸腰筋を介して腰も緩む

沖倉先生

制限因子は股関節の前側で起きています。すべりのある腰椎は不安定性があるので、あまり動かさない方がいい。でも腸腰筋が股関節と腰をつないでいるので、股関節を緩めれば腸腰筋が緩み、腰も楽になる作用があります。

施術——「手の中でふわふわ溶けている」

沖倉先生

股関節を抜いていくことで、そこを柔らかくしていきます。分かりますか。抜けてきましたよ。

患者さん

分かります、分かります。ああ、本当だ。手の中でふわふわ溶けている感じがあります。息がスッと吐けるというか、柔らかく抜ける感じ。

「変形が始まっているね」と言われたのは2019年ごろ。痛み止めを出されながら2020年、21年と痛みの頻度も強さも増し、思った以上に悪くなったといいます。薬を飲みながらハードな運動をすること自体が骨を壊してしまう——「やっと分かりました」と本人。腰は評価しながら介入するか迷ったものの、本人の「少しでいいから」の希望で、制限になっていた上側の筋肉だけを緩めました。

施術後——立つ時が全然違う、足に力が入る

患者さん

立ち上がると右が違う。自分の意思がここに伝わっている感じがある。こうやって立つ時がもう全然違うんですよ、足に力が入る。向く時も腰が痛くない。すごく楽です。

沖倉先生

歩き方もさっきと変わってきて、スピードも速くなっています。腰を反らせて背中に力を入れながら歩く癖は抜けるのが大変ですが、少しずつ信じていけたらいいと思います。

動画で交わされた詳しい問診

沖倉先生

今日もよろしくお願いします。両側とも末期の変形性股関節症ということで、こちらまで歩いて来られるのがやっと。

患者さん

やっと、やっと来ました。

沖倉先生

あとは腰椎のすべり症ですね。これも手術した方がいいと言われている。

患者さん

そうですね。なんか鉄の下敷きが入ったような硬さで、なんと言ったらいいか、もうカチカチで。

沖倉先生

テニスはいつごろまでやられていたんですか。

患者さん

去年の11月まで試合に出ていました。座薬を毎日入れていました。整形外科には嘘をついて、テニスはやめました、生活をするのに必要だから薬をくださいと言ってもらって、それを入れて試合をやり続けていました。

沖倉先生

試合が終わったら、もう立てないくらいだったのでは。

患者さん

トイレにも行けないくらい。走れないですもんね、全くですね。だけどそれでも引きずってでも行って打つ、みたいな。

沖倉先生

今は、歩く、方向転換、階段の上り下りといったところで全部痛みがある。

患者さん

全部あります。座るのも、洋式トイレも座る時が怖いんですよ。ズドンって感じで。

沖倉先生

先ほどレントゲンを見せていただきましたが、腰椎の状態も非常によろしくない。骨盤や腰椎は操作できないんです。安全確認をしながら、しっかりやっていきたいと思います。

患者さん

お任せします。よろしくお願いします。

動作検査と施術中のやり取り

沖倉先生

これで痛い感じですね。常にここが曲がっていて、今伸ばしています。痛いのは股関節の前側ですね。

患者さん

前と横側です。横はどうしてもこうやって触っちゃう。歩いていて前側がやっぱり痛いです。あと、かばいすぎて今は膝や足首もとっても痛くて。常にここの硬さというか、骨盤の後ろがすごくカチカチだなと思って。

沖倉先生

思ったよりは、外側に開くのはそんなに固くないです。前側にすごく制限があるからこれだけ開ける。これ以上やると痛くなってくるかな。今、キッと言いましたね。

患者さん

言いました。でも痛みは全くないです。

沖倉先生

ここで制限のロックがかかりますね。椅子に座った時、こんな角度では座れないと思うかもしれませんが、腰を丸くすることで座れているんです。脚を伸ばしているからなんとか座れる状態。股関節の角度はもうこれが限界で、全然曲がっていない。制限因子は股関節の前側で起きていて、だから痛みも起きます。

患者さん

なるほど。

沖倉先生

すべりのところはあまり動かさない方がいいです。不安定性があるから、ここはあまりできない。でも股関節を緩めると腰椎も勝手に緩みます。腸腰筋という筋肉がここと腰でお互いに作用し合っているので、こっちを緩めれば腸腰筋が緩んで、腰も楽になる作用があります。股関節を抜いていくことで柔らかくしていきますからね。分かりますか。

患者さん

分かります、分かります。

沖倉先生

抜けてきましたよ。

患者さん

ああ、本当だ。ここ硬いのが分かるんです。最近そこばっかりゴリゴリ押したくて。

沖倉先生

そうです。だんだん緩んできています。

患者さん

分かる気がする。手の中でふわふわ溶けている感じがあります。息がスッと吐けるというか、柔らかく抜ける感じかな。

沖倉先生

診断されたのは何年前ですか。

患者さん

変形が始まっているよねと言われたのは2019年くらいです。その頃はまだ、大事に使ってねくらいで、痛み止めを出してくれて。2020年、21年とどんどん痛みの頻度が上がって強くなって、思った以上に悪くなりました。ここまで歩けなくなるとは思っていなかった。

沖倉先生

薬を飲みながらハードな運動をするということ自体が、骨を破壊するようなものですからね。

患者さん

なんか、やっと分かりました。

沖倉先生

手の中の感触だと、相当動くようになってきました。少しだけ腰も見ていきます。ただ今評価していて、やるかどうか迷っています。介入していいのかどうか。

患者さん

少しでいいから、と思います。辛いのは背骨のこのあたりで。

沖倉先生

今いちばん制限があるのはここ、上側です。これが制限因子になっている。脚も同じように、これで制限になっているから、そこを今緩めます。

患者さん

そこばっかりすごく揉みたくて。ここがすごく辛いんです。

沖倉先生

だんだん抜けてきました。これで後ろに腕を上げていただくと、ほら、分かりますね。

患者さん

本当だ。制限というのがなくなったのが分かります。ここに今いるんだ、すごい。

沖倉先生

これで腰の制限が結構緩んできた気がしますよ。

施術後の再検査と歩き方

患者さん

立ち上がると、右が違う。自分の意思がここに伝わっている感じがある。

沖倉先生

おお、いいですね、いいですね。

患者さん

こうやって立つ時がもう全然違うんですよ。足に力が入る。向く時も、もうここが痛くない。腰のです。それはすごい楽。良くなりました、すごく楽です。

沖倉先生

あとは、使えていない筋肉がやっぱりあります。今までそういう歩き方だったから、足の外側の筋肉が使えていない。一度脚を開いて、外側に。そうそう、もう一回。

患者さん

はい。

沖倉先生

どうしても腰椎を前側に反らせながら前に出して、背中にずっと力を入れながら歩く癖が今あるので、これを戻していきますよ。本来はこんな姿勢で歩いていくのが普通です。

患者さん

え、本当に。これはちょっと歩きにくいですね。

沖倉先生

そうそう。全然さっきと歩き方が変わってきています。だいぶいいかも。スピードも全然速くなってきていますしね。

患者さん

今までは全力で体を上に釣り上げながら、怖い怖いって感じで歩いていたので。

沖倉先生

その癖は結構抜けるのが大変だと思いますが、少しずつ信じていけたらいいかなと思います。横から見た時、さっきよりは股関節が伸びていると思います。

患者さん

ああ、嬉しい。これだけでも全然違う。ありがとうございます、ありがとうございます。

沖倉先生

まだ無理はしない方がいいです。階段は片足ずつ、手すりを握って一段一段で構いません。深いしゃがみ込みなどは股関節に悪い影響を与えてしまいますからね。

患者さん

はい、分かりました。

FAQ

この症例についてよくある質問

この症例では、どのような悩みが紹介されていますか?

変形性股関節症という悩みを抱えた方の症例です。座薬を入れてテニスを続けた末の両側末期股関節症という生活上の困りごとから、問診と動作検査、施術前後の変化までを紹介しています。

なぜ痛む場所ではなく、離れた部位を施術するのですか?

六層連動操法は、痛みの原因を痛む場所だけに求めません。皮膚から骨まで六つの層の癒着や、筋膜のつながりをたどり、離れた部位(お腹・胸郭・首・過去の手術痕など)から動きを取り戻します。この症例でも、痛む場所とは別の部位に着目して施術しています。

この施術は、どこで受けられますか?

六層連動操法は、セミナーを修了した認定施術者が全国・海外の治療院で行っています。お近くの認定治療院は「全国の治療院」ページからお探しください。

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