今の股関節の状態は、11歳の頃から。先天性の股関節脱臼で、生まれつきということですね。病院でレントゲンの説明は受けていらっしゃいますか?
はい。でも、あんまり分からなくて。
先生がレントゲン写真を見ながら説明します。股関節は骨盤側の「臼蓋」というお椀に、太ももの骨の「骨頭」がはまって支えられています。片側にはまだ溝が残っているものの、もう片側は骨頭に覆いかぶさる部分がほとんど無く、支えられているのは本当に一点だけ。写真で白く写っている部分から骨の破壊が始まりかけており、そこが強い痛みの元になっているとのことでした。
ここ自体にアプローチして骨を改善させるのは難しいです。ちょっとでも引っ張ると、これは脱臼します。
そうなんですよね。大げさじゃなかったんだ。歩こうとした瞬間に抜けるんじゃないかっていうことが、ちょっと増えてきまして。
ベッドで脚の動きを確認します。脚を持ち上げていくと途中で骨性の強い抵抗があり、それ以上は無理に上げると脱臼のおそれがあるため止めます。曲げる動作は比較的できるものの、臼蓋と骨頭がぶつかる「インピンジメント」の衝撃があり、ここまでが限界。後ろへ引く伸展も危険な姿勢ではあるものの、ぶつかりは少なく痛みは出ません。グイッと曲げる、外へ開く動きは相当痛く、左を下にして横向きになるのはかなり危険。施術は仰向けか右向きで行うことになりました。
脚の後ろ側と外側の筋肉が簡単に張っています。股関節の影響からかは分かりませんが、いま脚の外側が痛いですね。そちら側を緩めていきます。股関節自体はあまり緩めてしまうとよろしくないので、気をつけながら。
そうですね、外側が痛いです。
骨頭の骨自体はまだ破壊されておらず、栄養もまだ回っている——「そこはまだ助かっています」と先生。股関節から肋骨側へつなげて緩め、固まっている外側がほどければ股関節の痛みも少しましになるのではないか、という見立てで、骨の安定性・固定性を崩さないようにしながら、骨から来る筋肉の緊張を取っていきます。
この刺激は痛いですか?
いや、痛気持ちいいというか、すごく不思議な感覚です。奥の方が、なんて言ったらいいんでしょう、ズンと奥の方に。
途中で脚の動きを確かめると、さっきより股関節が曲がり、あまり勧められない外へ開く動きも「さっきより全然」。脚の上がりも大きくなっています。最後に足の内側の真ん中にある硬い所も探して取りました。
え、どうしよう、普通に歩ける。痛くなく歩けます。スキップ……いや、調子に乗っちゃいけない。どうしちゃったんでしょう。
動き自体も今は良くなっているので、これで様子を見てください。安心できないのは股関節の中身で、骨自体を直すことは不可能です。痛みは今取ることはできましたけど、あまり無理をしないでください。
全然違います。もう何十年も感じたことのない軽やかさです、本当に。ありがとうございました。
今の股関節の状態は、11歳の頃からですね。先天性の股関節脱臼、もう生まれつきです。こちら、病院で説明は受けていらっしゃいますね。
はい。でもよく分かっていなくて、あんまり分からないんです。
では少しご説明しますね。これが臼蓋で、ここに骨頭があります。骨盤のここで支えているわけです。
はい、はい。
こちら側はもう、ここでしか支えられていません。こちらにはまだ少し溝があるんですけど、こっちはもう覆いかぶさるものがほとんど無いんです。
うーん、はい。
なので支えられるのは本当にここだけ。あとはここが白くなってしまっていて、白くなっている所からもう少し破壊が始まるというか。ここが痛いんですよ。
そこがすごく痛みます。
ここ自体にアプローチして骨を改善させるのは難しいです。ちょっとでも引っ張ると、これは脱臼します。
そうなんですよね。大げさじゃなかったんだ。
全然大げさじゃないです。
歩こうとした瞬間に抜けるんじゃないかっていうことが、ちょっと増えてきまして。
直せる所に関してはやっていきたいのと、股関節の痛みを少しでも良くしたいというのがありますので、そこにアプローチをしていきたいと思います。
ぜひとも、よろしくお願いします。
では動きの部分を見させていただきます。……これ以上上げようとすると、すごく骨性の抵抗がありますので、これは無理ですね。これ以上上げると脱臼してしまうかもしれない。
はい。
曲げる動作は比較的大丈夫です。だけどここでぶつかりますね。臼蓋と骨頭のところで、今インピンチメントといって、ぶつかる衝撃がここであります。これ以上は無理です。今度は少し後ろへ引いていきます。
はい。
この伸展動作も一応危険なポジションなんです。これで脱臼する可能性もあるので気をつけないといけない動作ではありますけど、こっちの方がぶつかりは少ないです。こっちは痛くないでしょう。
はい、こっちは痛くないです。
曲げてグイッと曲げられると相当痛いです。あとグイッと外側に開こうとすると痛い。左を下に向くのはかなり危険ですね。なので仰向きか、こちら向きでないと厳しいかな。
はい。
脚の後ろ側と外側の筋肉が、やっぱり簡単に張っています。もちろん股関節の影響からかは分かりませんけど、今は脚の外側、こっち側が痛いですね。
あ、そうですね。
なのでそちら側を少し緩めていきます。股関節自体はあまり緩めてしまうとよろしくないので、気をつけながら、緩められる位置を探してやっていきます。……骨自体はね、まだ破壊はされていない。
あ、そうですか。
破壊はされていないというのは、栄養がまだ回っているということ。骨頭の骨の所は、まだ助かっています。股関節からつなげて、肋骨側を少し緩めていきます。股関節で外側が固まってしまっているので、ここが緩まれば股関節の痛みも少しましになるかなというのはあります。
はい。
この刺激は痛いですか?
いや、なんか痛気持ちいいというか、すごく不思議な感覚です。奥の方が、なんて言ったらいいんでしょう。なんかズンと奥の方に。
股関節自体の、ここの骨から来る筋肉の緊張があって、骨の安定性・固定性を崩さないようにしながら、その筋肉を緩める、痛みを取るということをしています。この刺激はどんな感じですか?
痛くはないです。なんて言ったらいいんでしょう、じわっと来るところはある感じですね。
さっきより股関節が曲がりますね。
あれ。
外側に開く。これはあんまりよろしくないんだけど、さっきより全然いきます。
曲がるのがすごいし、上がりもすごい。
ちょっと足の方も、足がどうなっているかを見ます。内側の真ん中に硬い所はあるので、ここを少し探して取ります。
オッケーです。では、また歩きを見せてください。
はい。……え、どうしよう、普通に歩ける。痛くなく歩けます。
はい。
スキップ……いや、調子に乗っちゃいけない。調子に乗っちゃう。どうしちゃったんでしょう。
動き自体も今は良くなっているので、これでちょっと様子を見てください。
はい、本当にありがとうございます。
安心できないのは股関節の中身で、あくまでも骨自体を直すことは不可能です。痛みは今取ることはできましたけど、あまり無理をしないでください。
はい。全然違います。もう何十年も感じたことのない軽やかさです、本当に。
良かったです。
本当にありがとうございました。
重度股関節症という悩みを抱えた方の症例です。何十年も感じたことのない軽やかさという生活上の困りごとから、問診と動作検査、施術前後の変化までを紹介しています。
六層連動操法は、痛みの原因を痛む場所だけに求めません。皮膚から骨まで六つの層の癒着や、筋膜のつながりをたどり、離れた部位(お腹・胸郭・首・過去の手術痕など)から動きを取り戻します。この症例でも、痛む場所とは別の部位に着目して施術しています。
六層連動操法は、セミナーを修了した認定施術者が全国・海外の治療院で行っています。お近くの認定治療院は「全国の治療院」ページからお探しください。
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