CASE 40 起立性調節障害
中3で急に朝起きられなくなった大学生の娘さん

中学から続く立ちくらみと頭痛——胸郭の内側の硬さと自律神経を検査

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中学から続く立ちくらみと頭痛、中3で急に朝起きられなくなった大学生の娘さんが、お母様と登場

沖倉先生

今年の4月ごろに自律神経失調症の診断がついて、肩こり・腰痛・頭痛、足がつりやすい、むくんで触るのも痛い、ということでしたね。

患者さん

起立性調節障害の頭痛や立ちくらみは中1の頃からずっとあって、中3になって本当に急に、朝起きられなくなりました。声は聞こえるけど体が動かない、みたいな状態です。

病院では血圧を上げる薬だけが出され、それでも改善せず「たくさん寝るだけ」の日々。夜7時に寝ても翌朝起きられず、1か月以上学校へ行けない時期がありました。同じ頃、食欲不振や胃の痛み、汗をかきやすい、夜に足がつるといった症状にも悩まされ、高1で少し和らいだものの頭痛・立ちくらみ・腰痛は変わらず、2025年には高熱のあと起立試験で自律神経失調症と診断されて今に至ります。

今の困りごと——立ちくらみが「当たり前」になってしまった

患者さん

座っていて立ち上がった瞬間の立ちくらみは今もあります。中学からなので慣れすぎちゃって、立ちくらみがあっても歩けるようになってしまって。1日に何回あったか覚えていないくらい自然になりすぎているんです。

今起きているのは肩こり・頭痛・腰痛・足のむくみ、そして深呼吸ができないこと。「疲れすぎてはいけない」と医師に言われ、大学生なのに大学生らしく遊び回れない。お母様も「無意識に色々と制限をかけてしまっているかもしれない。心配のいらない体を取り戻したい」と話します。

動作検査——手首も胸郭もガチガチ

前屈をしてもらうと、膝裏からふくらはぎがつって途中で止まります。早歩きをすると脇腹のあたりが詰まって速く歩けないとのこと。触ってみると、過去に痛めた手首も、胸郭も相当に固まっていました。

沖倉先生

ちょうど胸郭のこの部分に症状がある人が多いんです。喉から胸郭の中心側には迷走神経や横隔神経という自律神経系に関わる神経が通っています。手首からこのルートをたどって胸郭の中に入り、横隔膜、腸腰筋とつながって症状を起こしている人が結構います。

見立て——胸郭の内側の硬さと、血圧を調整する神経

横隔膜の上には心臓があり、心臓は心膜などに包まれています。その通り道に迷走神経や横隔神経が走っていて、自律神経系を支配している。そこが締まって周りの筋肉が固まると神経の働きが乱れ、血管側で血圧を調整する中枢が乱れるのではないか——血圧が低い状態は、この圧迫が解放されることで整ってくるのではないか、というのが沖倉先生の仮説です。ディープフロントライン、つまり胸郭の中身を緩めていきます。

施術——お母様に背骨を触ってもらいながら

沖倉先生

心臓のこっちの壁と、こっちの壁がすごく固まっています。これが肩こりに通じているやつです。胸郭の方へ引っ張って、心臓の方へ引っ張って、抜いていきますね。ほら、ちょっと抜けていくのが分かります?

患者さん

あ、はい。……すごい。

続いて、お母様に娘さんの背骨を触ってもらったまま胸の前側から抜いていくと、背骨の出っ張りがへこんでいくのが指先で分かります。「あれ?」「本当だ」と、親子で驚く場面がありました。足のほうもふわふわになってきます。

施術後——首と肩が軽く、深く息が入る

患者さん

全然さっきと違います。首から肩にかけてが一番軽くなっています。ふくらはぎも下の方までパンパンに張っていたのが柔らかい。息もだいぶ深く入る感じがします。肺が開く感じですね。

沖倉先生

体の中身が固まっていて、それによるだるさがありました。今は筋肉が全体的に緩んだ状態を確保できているので、これから生活してみてどうかを教えてください。

動画で交わされた詳しい問診

沖倉先生

今年の4月ごろから自律神経失調症の診断がついて、肩こりや腰痛、頭痛、足がつりやすい、体がむくんでマッサージしようにも触るのも痛い、ということで来られました。

患者さん

起立性調節障害の頭痛や立ちくらみは中1の頃からずっとありました。中3になって本当に急に、朝起きられなくなったんです。意識がないというか、声をかけられても音は聞こえるけど体が動かない状態で。

沖倉先生

病院ではどんな対応でしたか。

患者さん

血圧を上げる薬だけ出してもらいました。でもそれでも改善はしなくて、もうたくさん寝るだけ、という感じでした。

沖倉先生

学校には行けなかったのですね。起こしてもらっても起きられない。

患者さん

どんなに起こしても、本当に死んじゃってるのかなっていうくらい何も反応しないので、ひとまず寝かせておくしかなくて。1か月以上は全然行けない状態でした。夜は小学生みたいに7時に寝るんですけど、翌朝やっぱり起きられないんです。

沖倉先生

本人の問題ではないですね。薬も飲んでいるし、やれることはないから寝かせて体力を温存しましょう、と言われていた。その頃は食欲不振や胃の痛み、汗をかきやすい、夜に足がつるという症状も一緒にあったのですね。

患者さん

はい。高1の頃にそのあたりは少し和らいだんですけど、頭痛と立ちくらみ、腰は変わらずで。2025年には高熱が出て、起立試験で自律神経失調症と診断されて今に至ります。

沖倉先生

お母様から見て、娘さんが今つらそうだなと思うのはどんなところですか。

患者さん

(お母様)基本的には天真爛漫で前向きな、ネガティブな方向に考えないタイプの子なんです。だから症状が出た時は正直すごくびっくりしました。学校に通えなくなって、真面目に何でも前向きに取り組む子だったのにそれができなくなったことが、本人もショックだったと思いますし、こちらもどうしてあげていいか分かりませんでした。

沖倉先生

今は毎日なんとかやり過ごせてはいる、と。

患者さん

(お母様)ただ、疲れすぎてはいけないとお医者さんに言われていて、それが制限をかけてしまっているというか。大学生だけど大学生らしくない、自分の頃だったらもっと自由に遊び回っていたのにと思います。私も無意識に色々言ってしまっているかもしれなくて。何も心配のいらない健康な体を取り戻したいという気持ちがあります。

沖倉先生

今起きているのは肩こり、頭痛、腰痛、足のむくみ、それに深呼吸ができないこと。朝起きられない症状は今はどうですか。

患者さん

今はそんなに起きられないということはないですが、朝は弱めです。あと、ずっと座っていて立ち上がった瞬間に立ちくらみがあります。でも始まったのが中学の頃からなので慣れすぎちゃって、立ちくらみがあっても歩けるようになってしまって。1日に何回あったか覚えていないくらい自然になりすぎているんです。それが治ったら楽なのかな、とは思います。

動作検査と施術中のやり取り

沖倉先生

ちょうど胸郭のここに症状がある人が多いんです。喉から胸郭の中心側に、迷走神経や横隔神経という自律神経系に関わる神経が通っています。以前おかしくした手首からこのルートをたどって胸郭に入り、横隔膜、腸腰筋とつながって症状を起こしている人が結構います。今触った限りでは手首もガチガチで、硬すぎるので胸郭も相当固まっています。ディープフロントライン、つまり中身が硬いんです。

沖倉先生

前屈動作をしてみてください。その時、背中などはどんな感じですか。

患者さん

この時に痛いのは膝裏からふくらはぎにかけてで、つってしまってこれ以上いかない感じです。早歩きをすると脇腹のあたりがぎゅっとなって、全然速く歩けないというのもあります。

沖倉先生

ここに横隔膜があって、その上に心臓があります。心臓は心膜などに包まれていて、その通り道に迷走神経や横隔神経という自律神経系を支配する神経が走っています。それが締まって周りの筋肉が固まると、神経の働きが通らなくなり、血管側で血圧を調整する中枢が乱れてくる。今の血圧が低い状態は、迷走神経や横隔神経への圧迫が解放されることで整ってくるのではないか、という仮説です。

患者さん

はい。

沖倉先生

ここをちょっと触っていてもらえますか。少しだけそこを取っていきますね。心臓のこっちの壁と、こっちの壁がすごく固まっているでしょう。それが肩こりに通じているやつです。一度それを緩めます。胸郭の方へ引っ張って、心臓の方へ引っ張って、抜いていきますね。ほら、ちょっと抜けていくのが分かります?

患者さん

あ、はい。……すごい。

沖倉先生

こんなふうにして取っていくんです。それではお母様、ここの背骨を触っていてもらえますか。今その背骨とつなげました。背骨がへこんでいくので、じっとしていた方が分かりやすいかもしれません。いきます、抜きますね。

患者さん

(お母様)あれ? え、あれ?

沖倉先生

ほら、分かります? へこんできたのが分かりますか。

患者さん

(お母様)分かります、分かります。え、すごい。ああ、本当だ。

沖倉先生

こういうふうにつながりがあるんです。抜けてくるのが分かりますか。

患者さん

(お母様)はい、分かります。徐々に徐々に平らになっていきます。

沖倉先生

そうすると、ほら、足の方もちょっとふわふわになってきているでしょう。そんな感じで取っていきます。

患者さん

へえ、すごい。本当だ。

施術後の再検査とまとめ

沖倉先生

どうですか。

患者さん

全然さっきと違います。首から肩にかけてのところが一番軽くなっているのを感じます。ふくらはぎも下の方まで結構パンパンに張っていたんですけど、柔らかいですね。

沖倉先生

いいですね。呼吸はどうですか。

患者さん

だいぶ深く入る感じがします。なんか、肺が開く感じがしますね。

沖倉先生

今日受けてみて、どう感じましたか。

患者さん

整体に行くと痛いところをほぐしていくのが普通だと思っていました。今日は説明を聞いて理屈は分かるけど、ここをほぐしてこっちや背中が柔らかくなるというのがやっぱり不思議で。でも実際に柔らかくなっているから、本当に不思議というか、すごいなと思います。

沖倉先生

施術を終えて分かったのは、体の中身が固まっていて、それによるだるさがあったということです。さっき推測でお伝えしたように、自律神経系が圧迫されて乱されていた部分があるのだと思います。特に、夕方に疲れてくると寝込んで、翌朝起きられなくなるという流れがあるので、筋肉が内部で固まった時に発症する、という関連付けはできます。

患者さん

(お母様)それが何から起こっているのか、というところは。

沖倉先生

そこははてなです。食事の方は、お話を聞いた推測からするとおそらく違う。手首の怪我との関連も腕から調べましたが、こちらの癒着はほぼありません。足や腕の怪我から来るものも少し違う。内臓がおかしくなった形跡もなく、お腹の癒着も探した結果そんなにない、ということなんです。

患者さん

(お母様)はい。

沖倉先生

全体的なこりと硬さ、背骨の頸椎・腰椎の硬さ、背中の方に張り付いていた癒着、骨盤の方にもありました。それらを総合して、固まっていたものが何かしらの作用で胸郭の内部、心臓の方の自律神経を調整する部分を乱して、血圧の低下が起こっているのではないかと考えています。

患者さん

(お母様)分かりました。

沖倉先生

今はちゃんと筋肉が全体的に緩んだ状態を確保できています。これから少し生活してみてどうかを教えていただければと思います。よろしくお願いします。

患者さん

はい、ありがとうございました。

FAQ

この症例についてよくある質問

この症例では、どのような悩みが紹介されていますか?

起立性調節障害という悩みを抱えた方の症例です。中3で急に朝起きられなくなった大学生の娘さんという生活上の困りごとから、問診と動作検査、施術前後の変化までを紹介しています。

なぜ痛む場所ではなく、離れた部位を施術するのですか?

六層連動操法は、痛みの原因を痛む場所だけに求めません。皮膚から骨まで六つの層の癒着や、筋膜のつながりをたどり、離れた部位(お腹・胸郭・首・過去の手術痕など)から動きを取り戻します。この症例でも、痛む場所とは別の部位に着目して施術しています。

この施術は、どこで受けられますか?

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