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四十肩・五十肩

四十肩・五十肩の
セルフケアと「炎症期の見分け方」

四十肩・五十肩は、時期を間違えて動かすと悪化します。理学療法士が、原因と「炎症期の見分け方」、そして炎症が落ち着いてからのセルフケアを解説します。

解説:六層連動操法 開発者・沖倉国悦(理学療法士)

こんなこと、ありませんか?

  • 肩が上がらない・後ろに手が回らない
  • 夜、肩が痛くて目が覚める
  • 服の着替えや洗髪がつらい
  • 糖尿病体質・尿酸値が高め
  • なかなか治らない

なぜ、四十肩・五十肩になるの?

きっかけは肩関節の微細な炎症。体は修復しようとして新しい血管を作りますが、その過程でいろいろな組織をくっつけてしまい(癒着)、肩が固まっていきます。糖尿病体質・尿酸値が高めの方はなりやすい傾向があります。

修復の過程で組織がくっつき、癒着が起こります(動画より)
修復の過程で組織がくっつき、癒着が起こります(動画より)

注意したいのは炎症期(急性期)に無理に動かさないこと。動かすと新生血管を切って炎症が広がり、癒着が増えてしまいます。

炎症期に動かすと、かえって炎症が広がり癒着が増えます(動画より)
炎症期に動かすと、かえって炎症が広がり癒着が増えます(動画より)

まず「炎症期かどうか」を見分ける

セルフケアは、炎症が落ち着いてから。次の見分け方を目安にしてください。

炎症期の見分け方。 安静にしていても痛む(夜間痛がある)うちは炎症期です。安静時の痛みがなく、「肩をあげると、この辺で痛いな」と自分で場所が分かる状態なら、炎症期は過ぎているサインです。

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ペットボトルで、やさしく引っ張る炎症が落ち着いてから/10秒

水を入れたペットボトルを手に持ち、腕の重みを利用して軽く内側へ引っ張り、10秒キープ。固まった肩関節に、痛くない範囲でやさしく動きを取り戻します。強く動かさないのがコツです。

ペットボトルの重みで、腕を軽く内側に引っ張って10秒キープ(動画より)
ペットボトルの重みで、腕を軽く内側に引っ張って10秒キープ(動画より)
安静時痛がなく、痛む場所が分かれば炎症期は過ぎているサイン(動画より)
安静時痛がなく、痛む場所が分かれば炎症期は過ぎているサイン(動画より)

ケアの前後で、腕がどこまで上がるか(挙上)を比べると、変化が分かりやすくなります。

やるときの注意

無理は禁物。 痛気持ちいい” までにしましょう。

  • 炎症期(安静時痛・夜間痛)は動かさず、まず安静に
  • 痛みが強い・悪化するときは中止する
  • 糖尿病など持病がある方は医療機関にも相談を

強い痛み・しびれ・長引く症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

四十肩・五十肩は時期の見極めが大切です。つらいときや長引くときは、無理をせず整形外科・認定治療院にご相談ください。

回復までの「3つの時期」を知っておきましょう

四十肩・五十肩は、おおまかに①炎症期(安静時・夜間も痛む)→②拘縮期(痛みは引くが固まって動かない)→③回復期(少しずつ動くようになる)という経過をたどります。数か月単位の付き合いになることも珍しくありません。

大切なのは、時期に合わないケアをしないこと。炎症期は安静、動かすのは炎症が落ち着いてから——この順番を守るだけで、経過は大きく変わります。

セルフケアのコツ

  • ペットボトルは水500ml程度の軽さから。重くするより「毎日続ける」方が効果的
  • 力を抜いて、腕の重み+ボトルの重みだけで引っ張られるのがコツ
  • ケアの前後で「腕がどこまで上がるか」を鏡で見比べる
  • 夜眠るときは、痛む肩を上にして横向き+抱き枕などで腕を支えると楽になりやすい

よくある間違い

「痛いけど動かした方が早く治る」は、時期を間違えると逆効果です。

  • 炎症期(夜間痛があるうち)に、痛みを我慢してぐるぐる回す
  • 人に腕を強く引っ張ってもらう・無理なストレッチ
  • 痛むからとまったく動かさないまま数か月放置する——固まりが進みます

日常生活の工夫

着替えは痛む側の腕から袖を通すと負担が減ります(脱ぐときは反対から)。洗髪や高い場所の物は無理をせず、痛くない側や道具を使いましょう。炎症期を過ぎたら、入浴で温めてからケアを行うと動きやすくなります。

肩まわり全体のこわばりには肩こりのセルフケアも役立ちます。

時期別・1日の取り入れ方(例)

時期によって「やること」が変わります。

  • 炎症期:ケアはお休み。夜は痛む肩を上にして横向き、腕を抱き枕で支える
  • 炎症が落ち着いたら:入浴後にペットボトルケア10秒を2〜3回。朝は着替えの前に軽く
  • 回復期:ケアの前後で腕の上がりを鏡で確認。痛くない範囲で日常動作を増やす
  • 週に1回:後ろに手が回るか、洗髪がどこまで楽かを記録して経過を見る

こんなときは受診を

「五十肩だと思っていたら別の病気だった」ということもあります。

次のような場合は、セルフケアより先に医療機関へ。

  • けがのあとに急に上がらなくなった(腱板損傷などの可能性)
  • 腕や手にしびれ・力の入りにくさがある
  • 腫れ・熱感・発赤が強い、発熱を伴う
  • 夜間痛がいつまでも引かない、痛みがどんどん強くなる

よくある質問

痛いけれど、動かした方がいいですか?
炎症期(安静時も痛い・夜間痛がある)は、動かすと悪化します。まずは安静に。炎症が落ち着いてから、痛くない範囲で動かしていきます。
炎症期かどうか、どう見分けますか?
安静にしていても痛むうちは炎症期。安静時の痛みがなく「あげるとこの辺が痛い」と場所が分かる状態なら、炎症期は過ぎているサインです。
どのくらいで治りますか?
個人差がありますが、時期に合ったケアが回復の近道です。無理に動かして炎症を広げないことが大切です。
温めるのと冷やすの、どちらがいいですか?
夜間もズキズキ痛む炎症期は温めすぎに注意。炎症が落ち着いてからは、入浴などで温めると動かしやすくなる方が多いです。
注射やリハビリと併用できますか?
できます。医療機関の治療を受けながら、痛くない範囲のセルフケアを補助として行ってください。方針は主治医の指示を優先しましょう。
反対の肩もなりますか?
片側がなった方は、数年内に反対側もなることがあると言われます。ふだんから肩を軽く動かす習慣で予防を心がけましょう。

もっと知りたい・相談したい方へ

その場のケアは動画で、根本の改善は治療院で。

※本記事は健康情報の提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。効果には個人差があります。しびれ・強い痛み・長引く症状がある場合は、医療機関にご相談ください。