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肩こり(揉まないケア)

肩こりは揉むな
揉んでも戻る理由と、肩に触らない「10秒」セルフケア

揉んでもらうと気持ちいいのに、翌日には元どおり。それは、肩を引っぱっている原因が肩の中ではなく、体の内側にあるからです。原因の見分け方と、肩に触らないセルフケアを動画・図でご紹介します。

解説:六層連動操法 開発者・沖倉国悦(理学療法士)

▲ 動画では「なぜ揉んでも治らないのか」の解説と、セルフケア2つを実演しています(約15分)

こんなこと、ありませんか?

  • マッサージの直後は楽なのに、翌日には戻っている
  • 揉めば揉むほど、肩がゴリゴリ硬くなってきた気がする
  • 肩を温めると楽になるが、また同じ場所がこる
  • 腰痛や股関節の痛み、坐骨神経痛も一緒にある
  • 息が浅い、ストレスがたまると肩が重くなる

なぜ、揉んでも肩こりは治らないの?

揉むと気持ちよく、その場では少し柔らかくなります。ただ、動画で沖倉が最初に伝えているのは「肩こりは揉んでも無駄。揉めば揉むほど悪化する」ということ。筋肉は揉むと筋肉痛と同じように小さな出血を起こし、その炎症を修復する過程で組織がくっついて(癒着して)硬くなるからです。

揉む→小さな出血=炎症→修復の過程で組織がくっつき、かえって硬くなる(動画より)
揉む→小さな出血=炎症→修復の過程で組織がくっつき、かえって硬くなる(動画より)

こりの正体は、縮んだまま伸びなくなった筋肉です。縮んだ筋肉の中で血管や神経が押しつぶされて血が足りなくなり、押すと「痛気持ちいい」感触が出ます。粘土と同じで、揉んだり温めたりすればその場は柔らかくなりますが、すぐ元に戻ります。

戻ってしまう根本の原因は、体の内側にできた癒着が、筋膜のつながりを通して肩を引っぱり続けていること。たとえば胃腸が悪いと左肩が痛くなる、股関節に癒着があると喉が硬くなる、といった形で、肩こりの原因が骨盤や腰、お腹にあることがとても多いのです。だから、股関節痛・腰痛・膝痛のある方は肩こりも一緒に抱えていることが多く、原因の場所は人によって違います。

よくある例:胃腸が悪くて左肩が痛くなる/股関節の癒着で喉が硬くなる。肩こりの原因が肩にない(動画より)
よくある例:胃腸が悪くて左肩が痛くなる/股関節の癒着で喉が硬くなる。肩こりの原因が肩にない(動画より)

よくあるパターンは2つ。①縦隔(胸の前の骨と背骨に囲まれた、胸の奥)が固まり、鎖骨のほうへ波及して肩がこるタイプ(ストレスが多い人、呼吸がしにくい人に多い)。②骨盤の中に癒着があり、腰痛・坐骨神経痛と連動して肩がこるタイプ。それぞれに合わせたセルフケアを、動画で2つ紹介しています。

肩に触らない「揉まない」セルフケア2つ

どちらも肩は揉みません。①は胸の奥(縦隔)をゆるめる10秒ケア、②は骨盤の中の癒着を取る足踏みケアです。先に動作の確認をしておくと、変化が分かります。

まず、腕を上げてみてください。上がりにくいほど肩こりが強い状態です。背中の首の付け根あたりの、ゴツゴツ出っぱった骨(首の7番目や胸の1〜2番目の背骨)に触れておくと、ケアのあとに出っぱりが減る感触が分かります。

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胸の骨の上側を、両手で下へ引き下げる縦隔ケア/10秒

背中のゴツゴツした部分の「前側」=胸の骨(胸骨)のいちばん上に両手を当てます。圧をかけながら、下へ向かってずっと引き下げるように10秒キープ。首の付け根の出っぱりがゴツゴツしている人は、喉のあたりが硬くなっているサインです。終わったら腕を上げてみてください。

背骨のゴツゴツした部分の前側=胸骨の上部に両手を当て、圧をかけながら下へ引き下げる・10秒(動画より)
背骨のゴツゴツした部分の前側=胸骨の上部に両手を当て、圧をかけながら下へ引き下げる・10秒(動画より)
ゴツゴツした部分の前側を下へ引く。これで腕が上がりやすくなる(動画より)
ゴツゴツした部分の前側を下へ引く。これで腕が上がりやすくなる(動画より)
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出っぱりが背中の下側なら、胸の骨のいちばん下を引き下げる縦隔ケア/10秒

ゴツゴツが背中の下側(肩甲骨の間より下)にある人は、胃が関係しているサイン。胸の骨のいちばん下に手を当て、同じように圧をかけて下へ10秒引き下げます。終わると、みぞおちに手が入りやすくなり、腕も上がりやすくなります。

背骨の下側がゴツゴツする場合は胃との関連。胸骨のいちばん下を引き下げる(動画より)
背骨の下側がゴツゴツする場合は胃との関連。胸骨のいちばん下を引き下げる(動画より)
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骨盤の中の硬いところを押さえたまま、足踏み骨盤ケア/足踏み20回

お腹の下のほう、骨盤の中の硬い・ゴリゴリするところを探します(真ん中の下、または脇の横側に多い)。先に脚を胸に近づける確認をしておくと、硬さのある方向に脚が曲げにくいのが分かります。見つけた硬いところを4本の指か親指でしっかり押さえたまま、硬さの位置に合わせて脚の向きを変え(内側なら内股、外側なら脚を開いて、真ん中なら中間)、その場で足踏みを20回。終わったら脚を上げると、柔らかくなっているのが分かります。

ケア前の確認:硬さがある方向へ脚を曲げ、胸に近づけてみる(動画より)
ケア前の確認:硬さがある方向へ脚を曲げ、胸に近づけてみる(動画より)
硬い部分を4本の指か親指で押さえたまま、脚の向きを合わせて20回足踏み(動画より)
硬い部分を4本の指か親指で押さえたまま、脚の向きを合わせて20回足踏み(動画より)

どちらをやる? 腕が上がりにくい・息が浅い・ストレスが多い人は①から。腰痛や坐骨神経痛、股関節の痛みも一緒にある人は②から。両方やっても構いません。

やるときの注意

強く揉まない。「押さえて、動かす」だけにします。

  • 肩そのものをグリグリ揉まない(揉むほど硬くなります)
  • 胸の骨は「圧をかけて下へ引く」だけ。叩いたりこすったりしない
  • お腹は食後すぐを避け、強い痛みが出る場所は押さえない

セルフケアで取れるのは浅い癒着です。深いところの癒着が肩を引っぱっている場合は、認定治療院で原因の場所を確認してもらうのが近道です。

肩こりは「肩の問題」ではなく、体の内側の癒着が肩を引っぱった結果です。だから揉んでも戻ります。原因の場所は人によって違うので、「どこに癒着があって肩を引っぱっているのか」を知りたい方は、六層連動操法の認定治療院で確認できます。

よくある質問

肩を揉んでもらうのは、やめたほうがいいですか?
気持ちいいので一時的には楽になりますが、動画のとおり筋肉は揉むほど小さな炎症を起こして硬くなります。揉む代わりに、肩を引っぱっている胸の奥や骨盤をゆるめるのがこのセルフケアです。
温めると楽になるのはなぜですか?
体は粘土と同じで、温めれば一時的に柔らかくなります。ただ、内側の癒着が残っていると何度でも元に戻ります。温めることは正解ですが、根本は癒着のほうです。
首の付け根の骨の出っぱりは、何のサインですか?
首の7番目や胸の1〜2番目あたりがゴツゴツしている人は喉のあたりが、背中のもっと下側がゴツゴツしている人は胃のあたりが硬くなっているサインです。出っぱりの「前側」を下へ引き下げると減ってきます。
1日に何回やればいいですか?
回数の決まりはありません。腕が上がりにくいと感じたとき、腰や肩が重いときに、①は10秒、②は足踏み20回を気軽に。終わったら腕上げ・脚上げで変化を確かめてください。

もっと知りたい・相談したい方へ

その場のケアは動画で、根本の改善は治療院で。

※本記事は健康情報の提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。効果には個人差があります。しびれ・強い痛み・長引く症状がある場合は、医療機関にご相談ください。