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HIP OSTEOARTHRITIS & ADHESION
変形性股関節症と言われたら
ステージ1・2は癒着を見る、ステージ3・4は手術をすすめる
レントゲンを見ながら「軟骨がすり減っています」「いずれ人工関節かもしれません」と言われた。痛み止めと運動で様子を見ているけれど、痛みは続いている。そういう方に先にお伝えしたいのは、変形性股関節症には4つのステージがあり、どの段階かで取るべき道が変わるということです。骨の変形が進んだ進行期・末期(ステージ3・4)では、手技で痛みや動きを変えられる余地は乏しく、人工関節などの手術をおすすめします。一方、前期・初期(ステージ1・2)では、変形の程度と痛みの強さが一致しないことが多く、骨頭の動きを止めている「癒着」を剥がすことで動きと痛みが変わる方がいます。
- 変形性股関節症は前期・初期・進行期・末期の4段階。進行期・末期(ステージ3・4)は手術をおすすめする
- 前期・初期(ステージ1・2)では、変形の程度と痛みの強さは一致しない。差を作っているのは骨盤の中・太ももの内側・肋骨側の癒着
- 六層連動操法は骨を動かさず癒着を剥がして可動域と痛みの変化を確認する。手術後の癒着にも対応できる
変形性股関節症の4つのステージと、六層連動操法が役に立つ段階
変形性股関節症は、レントゲンの所見で4つの段階に分けられます(日本整形外科学会の分類)。
- 前期(ステージ1):受け皿(臼蓋)の形に生まれつきの浅さなどがあるが、関節のすき間は保たれている。痛みは動き始めや長く歩いたあとに出る程度
- 初期(ステージ2):関節のすき間が少し狭くなり、骨の硬化や小さな骨棘が写り始める。立ち上がり・歩き始めの痛み、靴下をはきにくいなどの動きにくさが出る
- 進行期(ステージ3):関節のすき間がはっきり狭くなり、骨の変形・骨棘・骨のう胞が目立つ。安静時や夜間にも痛み、歩ける距離が短くなる
- 末期(ステージ4):関節のすき間が消え、骨どうしが直接ぶつかる。常に痛み、脚の長さの差や跛行が固定する
進行期・末期(ステージ3・4)の方には、六層連動操法ははっきりと手術をおすすめします。骨の形そのものが変わり、受け皿と骨頭がかみ合わなくなった状態では、まわりの癒着を剥がしても骨が転がれる余地がなく、手技で痛みや可動域を変えられる部分は乏しいからです。人工関節の手術は確立された治療で、術後に歩ける距離と痛みが大きく変わる方がほとんどです。主治医から手術をすすめられているステージ3・4の方は、施術で様子を見るより、手術の時期を主治医と相談することを先にしてください。
六層連動操法が役に立つのは、前期・初期(ステージ1・2)の方と、手術のあとに痛みや動きにくさが残った方です。前期・初期では、写真に写る変形の程度と痛みの強さが一致しないことが多く、骨の変形より先に骨頭の動きを止めている癒着が痛みを作っている場合があります。

出典: OpenStax, Anatomy and Physiology, Figure 9.25(Wikimedia Commons, CC BY 4.0)

すき間が保たれている(前期〜初期の目安)
出典: Mikael Häggström, CC0

左の股関節(画像では右側)のすき間が狭く、骨の変形が始まっている(進行期の目安)
出典: Hellerhoff, CC BY-SA 4.0

すき間が消え、骨どうしが直接当たり変形している(末期の目安)
出典: Mikael Häggström, CC0
画像はいずれも Wikimedia Commons の公開画像(各出典・ライセンスを表記)。記事の症例の方のものではない。
前期・初期では、変形の程度と痛みの強さは一致しない
前期・初期(ステージ1・2)の方では、レントゲンの所見が同じくらいでも痛みの出方は人によって大きく違います。「まだ保存的に見る段階」と言われたのに寝返りで目が覚めるほど痛む人もいます。この差が、変形とは別に、痛みと動きを止めている原因があることを示しています。
六層連動操法では、その原因を癒着と考えます。手術やケガ、腸や子宮・腎臓など内臓まわりの炎症のあと、修復の過程で膜どうしが貼りついたまま残るのが癒着です。癒着はまわりの膜を引っぱり続け、引っぱられた筋肉や膜は身を守るように縮こまります(攣縮)。股関節の骨頭は、本来は受け皿の中で前後左右に転がるように動きます。ところが、骨盤の中、お腹の奥、太ももの内側(内転筋)、脚の外側から肋骨側にかけての膜が癒着に引っぱられて縮こまると、骨頭は受け皿の一点に押しつけられたまま転がれなくなります。骨の変形そのものより、この「転がれない状態」が痛みを作っているというのが六層連動操法の見方です。
片方だけ痛む理由は股関節の痛みの原因、前側のつまりは股関節の前側・付け根が痛い、股関節の症状全体は股関節のまとめページでも解説しています。
痛み止め・注射・筋トレで「戻る」理由
痛み止めは痛みの信号を抑えます。関節への注射は、その場の炎症や痛みをやわらげます。お尻や太ももの筋トレは、股関節を支える力を補います。どれも意味のあることですが、骨頭を押しつけている癒着そのものには触れていません。だから効き目が切れると、同じ痛みが戻ってきます。
筋トレで注意したいのは、骨頭が転がれない状態のまま脚を強く動かすと、受け皿の一点に体重が集中し続けることです。「鍛えるほど痛い」「運動したあとに夜うずく」という方は、先に動きを止めている癒着を剥がしてから筋肉を使うほうが、股関節への負担が軽くなります。痛む場所と、原因の場所は別です。
六層連動操法が確認すること
六層連動操法の考え方そのものは 癒着と痛みの考え方 にまとめています。ここでは、この症状で何を確認するかだけを書きます。
対象は前期・初期(ステージ1・2)の方と、術後に痛みや動きにくさが残った方です。股関節そのものを強く動かすことはしません。骨盤や腰の背骨に治療中の病気がある場合は、その場所を直接操作せず、安全を確かめながら進めます。
- 動きを確認立ち上がり・歩行・脚上げ・あぐら・靴下をはく動作で、痛みが出る場面と止まる角度を整理する
- 原因をたどる骨盤の中・お腹の奥・太ももの内側・脚の外側から肋骨側まで、骨頭の転がりを止めている癒着を探す
- 癒着を剥がすテコの原理で骨頭のまわりの深い層に力を届かせて剥がし、立ち上がりと歩幅の変化を比べる。変わらなければ別の層・別の場所を検査し直す
取れた癒着は、基本的に元には戻りません。ただし、何年も積み重なった癒着は1回の施術では取り切れない部分が多く残ります。そのため次回、残っている癒着を再チェックして続きを進めます。
手術を宣告された重度の股関節症の方は、股関節ではなく脚の外側と肋骨側の緊張をほどいて歩き方が変わりました。25年続いた右股関節の痛みの原因は、骨盤の中の癒着と太ももの内側(内転筋)にありました。片側が人工関節、もう片側が骨切り術後の方は、不安定感で転倒・骨折までしていましたが、足の踏ん張りを取り戻しています。共通しているのは、原因が変形した骨ではなく、骨から離れた場所の癒着だったことです。
実際の施術での会話
変形性股関節症と言われたらの方の症例動画で、実際に交わされたやり取りです。沖倉が原因を伝えた言葉と、剥がした直後の反応を、動画の言い回しのまま引用しています。
沖倉「外側に開く。これはあんまりよろしくないんだけど、さっきより全然いきます。」
患者さん「曲がるのがすごいし、上がりもすごい。」
手術を宣告された重度股関節症——脚の外側と肋骨側の緊張をほどく(重度股関節症)沖倉「お腹の腹直筋の真ん中が硬いのも、背骨が硬いのと同時に起こってきます。深い前側のラインの後ろ側が固まっていたんですね。今日の経過は、また後日報告いただければと思います。」
患者さん「痛みが取れただけじゃなくて、体がちゃんと機能しているとこんなに軽く、スムーズに動くんだと感動しました。本当にありがとうございました。」
重度の股関節痛——骨だけでは説明できない痛みをたどる(変形性股関節症)沖倉「自分でもう1回ちょっと脚を上げてみて。だいぶ上がるようになってきました。25年物の癒着を剥がした。」
患者さん「すごい上がる。あ、なんかすごい軽い。全然違います。立っている時のこの疲労感がないというか。」
25年続く右股関節と左膝内側の痛み——骨盤の中の癒着と内転筋が原因(股関節痛・膝痛)炎症が続くと、新しい癒着ができる
変形性股関節症の方は、骨の変形そのものは変えられないぶん、変えられる要素を減らさないことが大切です。腸や子宮・膀胱のまわりで炎症が続いていると、骨盤の中に新しい癒着ができ、骨頭の動きがまた止まります。前期・初期の方で「レントゲンは変わっていないのに痛みの波が大きい」場合、炎症の波が癒着の引っぱりを強めている可能性を考えます。
痛みの波と一緒に振り返ってもらうのは、次の習慣です。
- 体重より先に、炎症を起こす食事(揚げもの・甘いもの・加工食品)の回数
- 飲酒の翌日に痛みが強くないか
- 婦人科・泌尿器の症状(炎症が骨盤の中に残っていないか)
- 喫煙(軟骨の修復を妨げる)
施術の様子(動画)
変形性股関節症と言われたらの施術では、痛む場所ではなく原因の場所をたどります。癒着を剥がした直後に動きがどう変わるかを、編集せずに公開しています。
手術を宣告された重度股関節症——脚の外側と肋骨側の緊張をほどく(YouTube)
同じ症状の施術症例
変形性股関節症と言われたらで来院した方の記録です。問診・動作の確認・原因の見立て・施術後の変化を、症例ごとに読めます。
よくある質問
ステージ3・4と言われました。施術を受ける意味はありますか?
進行期・末期(ステージ3・4)の方には手術をおすすめします。骨の形が変わってかみ合わなくなった状態では、癒着を剥がしても骨が転がれる余地がなく、手技で変えられる部分は乏しいからです。施術で様子を見て手術の時期を遅らせるより、主治医と手術の相談を先にしてください。
ステージ1・2です。変形があっても痛みは変わりますか?
変形そのものは戻りません。ただ前期・初期では変形の程度と痛みの強さが一致しないことが多く、痛みと動きを止めているのが骨盤の中や太ももの内側の癒着であれば、剥がすと可動域と痛みが変わります。1回目の施術で脚上げや歩き方の変化を確認します。
人工関節の手術を受けたあとでも相談できますか?
できます。手術痕そのものが癒着の元になることが多く、術後に残った痛みや動きにくさで来られる方が少なくありません。術後の経過は主治医にも確認しながら進めます。
自分のステージはどう分かりますか?
レントゲンを撮った整形外科で、関節のすき間と骨の変形の程度から主治医が判断します。診断名とステージは施術者に伝えてください。ステージ3・4なら手術の相談、1・2なら癒着の検査、と進め方を分けます。
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現在、沖倉国悦本人による新規の施術予約は受け付けておりません。
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この記事について
六層連動操法事務局が、沖倉国悦の臨床経験と公開している施術動画・症例記録をもとに作成しています(作成日:2026年10月17日)。「癒着」は六層連動操法の臨床上の見方を含む言葉です。記事の訂正・ご質問はお問い合わせページへお寄せください。

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