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腰椎固定術のあとも脚のしびれが残る
手術した腰ではなく、腰以外を調べる理由

腰椎の固定術を受けて、手術前のような強い痛みはおさまった。それなのに脚のしびれが残り、椅子に長く座っていられない。固定した腰を守りたいから、腰には触ってほしくない。六層連動操法は、こういう方の脚のしびれを手術した腰ではなく、腰以外の場所から引っぱっている癒着の問題として見ます。

この記事のポイント
  • 固定術のあとに残るしびれは珍しくない。圧迫されていた神経の回復には時間がかかる
  • 固定した腰椎そのものは動かさない。見るのは腎臓のまわり、尾骨の古傷、お腹の奥など、脚のしびれを引っぱっている別の場所
  • すべり症の固定術後に15分座れなかった方は、右の腎臓まわりと40年前の尾骨の骨折が出発点だった

固定術のあとにしびれが残るのはなぜか

腰椎固定術は、ぐらついていた背骨を金具で固定し、神経への圧迫を取り除く手術です。手術のあと、痛みは比較的早く和らぐ一方で、しびれは数か月単位でゆっくり変わっていくことが多いとされています。長いあいだ圧迫されていた神経そのものに変化が残っていること、手術で神経をよけたり押さえたりする必要があることが理由です。しびれが急に強くなった、脚に力が入らない、尿や便が出にくいといった変化があれば、整体より先に手術を受けた病院へ連絡してください。金具の状態を確かめられるのは医療機関だけです。

そのうえで六層連動操法が見るのは、固定した腰椎とは別の場所です。手術やケガ、腎臓や腸の炎症のあと、修復の過程で膜どうしが貼りついたまま残ったものを癒着と呼びます。癒着はまわりの膜を引っぱり続け、引っぱられた筋肉は縮こまります。腎臓のまわりの膜は腰の前側の大腰筋と隣り合い、大腰筋は脚の付け根へ続きます。尾骨のまわりの膜は骨盤の底から太ももの裏へ続きます。手術で圧迫を取り除いても、こうした場所の引っぱりが残っていれば、脚のしびれと座りにくさは続きます。

北海道から来院した女性の症例があります。2025年2月に狭窄症とすべり症の固定術を受け、起き上がれないほどの痛みは消えましたが、右脚のしびれと麻痺は手術のあとにむしろ強くなった気がすると話していました。自宅の椅子では15分から20分で限界になり、食事も急いで済ませてしまう。歩く姿を見ると、右腕をほとんど振らずに固めています。腕をゆるめると腰が抜けるような不安定さが強まるため、右腕で体を支えていたのです。

腰椎すべり症のレントゲン(横から)

すべり症のレントゲン(横から)。第5腰椎が前へずれている(矢印)。固定術はこのずれを金具で固定する
出典: Lucien Monfils, CC BY-SA 3.0

腰椎固定術のあとのレントゲン(金具が入っている)

固定術のあとのレントゲン。背骨を金具で固定している。六層連動操法はこの部分には触れない
出典: Nevit Dilmen, CC BY-SA 3.0

大腰筋・腸骨筋と太ももの前の筋肉の図

腰椎の前側から太ももの付け根へ付く大腰筋。腎臓のまわりの膜と隣り合い、脚の付け根へ続く。ここが引かれると脚のしびれと座りにくさが残る
出典: OpenStax College, CC BY 3.0

図1 すべり症のずれと固定術の金具、そして腰の前側の大腰筋。六層連動操法は固定した腰椎には触れず、腎臓のまわりや尾骨、大腰筋など腰以外の引っぱりを見る
画像は Wikimedia Commons の公開画像(各出典・ライセンスを表記。英語のラベルは日本語に置き換えた派生版)。記事の症例の方のものではない。
炎症から修復、癒着へ進む3段階の図
炎症から修復、癒着へ進む3段階の図(スマホ用)
図2 炎症が起こると、体は傷をふさぐために線維を集めて修復する。そのとき、本来は別々に滑るはずの層同士が結ばれてしまうのが「癒着」。
お腹の癒着から攣縮がライン状に広がり、離れた首や膝に痛みが出る図
お腹の癒着から攣縮が広がり離れた場所が痛む図(スマホ用)
図3 お腹の癒着(赤)から、筋膜のつながりに沿って攣縮のライン(金の点線)が上下に広がり、首・肩や膝など離れた場所に痛み(赤い輪)として現れる。

手術した腰を揉んでも、守っても変わらない理由

固定術を受けた方の多くは、手術した腰を守りたいと考えます。それは正しい判断です。固定した背骨を強く動かしたり、揉んだりしても、しびれを引っぱっている元には触れていませんし、金具のまわりの組織を傷めるおそれがあります。

一方で、守っているだけでも変わりません。症例の方は、話している5分ほどのあいだにも腰がパンパンに張ってくると話していました。階段では右膝に力が入らず、手すりがないと降りるのが怖い。この張りと力の入らなさは、固定した腰椎ではなく、腰椎を前から引いている場所の硬さが作っています。沖倉が背中で強い硬さを見つけたのは、手術した腰椎ではなく右の腎臓のあたりでした。「大きくはないけれど、こびりついている感じ」。本人も「いつも張っている場所」と応じています。さらに尾骨のまわりにも強い緊張があり、40年前に雪道で尾骨を骨折していたことが問診で分かりました。くっついて固まったものは、自然には溶けません。

表面を揉む施術と、深部の癒着をほどく六層連動操法の違い
揉む施術と癒着をほどく六層連動操法の違い(スマホ用)
図4 表面を揉む施術は浅い層で止まり、深い層の癒着は残る。六層連動操法はテコの原理で深い層に届き、癒着そのものを剥がす。

六層連動操法が確認すること

六層連動操法の考え方そのものは 癒着と痛みの考え方 にまとめています。ここでは、この症状で何を確認するかだけを書きます。

固定術後の方には、まず歩き方(腕の振り、脚の運び)、片脚上げ、階段の下り、座っていられる時間を確認します。固定した腰椎には触れず、背中の腎臓のまわり、尾骨、お腹の奥、太ももの裏で、脚を引っぱっている硬さの出発点を探します。手術の日付、固定した範囲、残っている症状に加えて、昔のケガも手がかりになります。

  1. 動きを確認歩くときの腕の振り、片脚を上げて保てるか、階段の下り、座って何分で限界かを整理する
  2. 原因をたどる腎臓のまわりの膜、尾骨とその周囲、お腹の奥の大腰筋、太ももの裏で、脚を引っぱっている癒着を探す。古い骨折や内臓の病気の経過も確認する
  3. 癒着を剥がして再確認固定した腰椎は動かさず、離れた場所の癒着をテコの原理で剥がし、片脚上げ・階段・しゃがみを比べる

症例の方は、施術の途中で「呼吸が楽になった」と話し、上がらなかった右脚を上げたまま保てるようになりました。終了後は右腕が意識しなくても振れるようになり、手すりを使わずに階段を上り、しゃがむ動作もその場でできています。本人の言葉は「痛くもないし、こんなに楽になったのは経験したことがない」。しびれの出発点は人によって違うので、腎臓なのか尾骨なのかお腹なのか、検査でたどります。病院での経過観察は、施術とは別に続けてください。

検査、施術、再検査という六層連動操法の施術の流れ
検査、施術、再検査という施術の流れ(スマホ用)
図5 六層連動操法の施術の流れ。感覚に頼らず、施術の前後で動きと痛みの検査をくり返し、変化が出なければ別の層・別の場所を検査し直す。

実際の施術での会話

腰椎固定術のあとも脚のしびれが残るの方の症例動画で、実際に交わされたやり取りです。沖倉が原因を伝えた言葉と、剥がした直後の反応を、動画の言い回しのまま引用しています。

沖倉「硬さがどこを通っているかを見ています。今は前脛骨筋の少し後ろに硬さがあって、そこから大腿四頭筋、骨盤の中、腎臓の少し前、首の奥へと波及していきます。」

患者さん「足先だけで分かるんですか、すごい。…背中がちょっと楽になってきています。なんかすごい呼吸が楽になりましたね。」

症例: すべり症固定術後も残る右脚のしびれ——右の腎臓と尾骨の古傷を検査(術後のしびれ)

沖倉「私も頭では右だろうなと思っていました。でも評価で左だったので、左をやらないと治らなかったんですよ。背骨の前側の癒着が内側を通って右側に波及して、脚のしびれの悪さをしていた。」

患者さん「本当に僕、有名どころだとか、この人すごいというところに行っていて。1回では良くならないだろうと思って必ず5回、10回と通っていたんですけど、全く何も変わらないのが普通だったんですよね。」

症例: 15年続くすべり症の右脚のしびれ——原因は左の背骨の前側の癒着(すべり症・脚のしびれ)

沖倉「痛いところがなくなったんですね。ちょっと立ってみましょう。」

患者さん「立ち方が違う。すっと伸びるね。目線が高い。だいぶさっきと違う。」

症例: ヘルニア手術後8年つづく腰痛——骨盤に貼りついた腸骨筋を検査(術後の腰痛)

炎症が続くと、新しい癒着ができる

固定術のあとの方は、手術そのものの修復で癒着ができやすい時期が続きます。そこに腎臓や腸の炎症が重なると、固定した腰椎のまわりではなく、腎臓のまわりの膜や大腰筋に新しい癒着ができ、脚のしびれが戻ります。症例の方は腎機能の低下を指摘されていました。腎臓に負担をかけない暮らしが、腰以外の癒着を増やさない近道です。

腎臓と腸に負担をかけるものを減らします。

  • 塩分の多い食事(漬物・加工食品・外食の汁物)
  • 水分が少ない日が続く(腎臓の負担と便秘の両方)
  • 鎮痛薬の常用(必要な分は主治医と相談のうえで)
  • 揚げもの・甘いものの間食

炎症のもとになる食事・習慣の全体像は 癒着Q&A に、癒着ができる流れは 癒着と痛みの考え方 にまとめています。

施術の様子(動画)

腰椎固定術のあとも脚のしびれが残るの施術では、痛む場所ではなく原因の場所をたどります。癒着を剥がした直後に動きがどう変わるかを、編集せずに公開しています。

すべり症固定術後も残る右脚のしびれ——右の腎臓と尾骨の古傷を検査(YouTube)

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同じ症状の施術症例

腰椎固定術のあとも脚のしびれが残るで来院した方の記録です。問診・動作の確認・原因の見立て・施術後の変化を、症例ごとに読めます。

症例集をすべて見る →

よくある質問

手術したばかりでも受けられますか?

術後の時期や固定の範囲によって、体を動かしてよい範囲が変わります。主治医に制限がないかを確かめてから受けてください。施術では固定した腰椎そのものには触れず、離れた場所の癒着を見ます。

腰を触らないのに、なぜ脚が変わるのですか?

脚のしびれを引っぱっているのが、腰椎ではなく腎臓のまわりや尾骨、お腹の奥の癒着だからです。症例の方は腎臓まわりと尾骨をゆるめた途中で呼吸が楽になり、上がらなかった脚が上がっています。

40年前の骨折が関係あるのですか?

あります。古い骨折の癒着は、本人が関係ないと思っていても、検査の方向を決める手がかりになります。初めて受けるときは、腰と関係なさそうなケガや手術も伝えてください。

六層連動操法を受けられる治療院

六層連動操法は、沖倉国悦のセミナーを修了した認定施術者が全国で行っています。地域別に探せます。体験会・セミナー・施術モニター募集などの最新情報は公式LINEでご案内しています。

現在、沖倉国悦本人による新規の施術予約は受け付けておりません。

「六層連動操法は怪しい?」と感じた方は、医師監修の臨床試験の結果と受講した施術家の実績をご覧ください。

この記事について

六層連動操法事務局が、沖倉国悦の臨床経験と公開している施術動画・症例記録をもとに作成しています(作成日:2026年10月17日)。「癒着」は六層連動操法の臨床上の見方を含む言葉です。記事の訂正・ご質問はお問い合わせページへお寄せください。