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HALLUX VALGUS & ADHESION
外反母趾の痛みと踏ん張れない足
骨の角度は変えずに、親指を引っぱる「癒着」をたどる
靴を履くと親指の付け根の出っぱりが当たって痛い。サポーターがないと歩くのがきつい。親指に力が入らず、地面を踏ん張れない。外反母趾は見た目の変化だけでなく、歩き方や立ち方にまで影響します。六層連動操法は、骨の角度と、痛み・踏ん張れなさを分けて考えます。変えられるのは後者です。
- 骨の変形そのものを手で押して戻すことはできない。変えられるのは、親指の動きを止めている周りの組織の硬さ
- 靴ずれの炎症のあとに、親指を外へ開く筋肉のところへ癒着が豆のように張り付き、親指が動けなくなっていた症例がある
- 子宮筋腫の手術歴がある方は外反母趾になる方が多い。内もも・腸腰筋の縮こまりが親指まで引っぱる
外反母趾の痛みはどこから来るのか
外反母趾は、足の親指が付け根から小指側へ曲がり、付け根の関節が内側へ突き出した状態です。突き出した部分が靴に当たって炎症を起こしたり、関節そのものが痛んだりします。つま先の細い靴やハイヒール、体質、足のアーチの低下などが関係すると言われ、女性に多いことが知られています。骨の角度そのものは、整形外科でレントゲンを撮ると分かります。
骨の角度を手で押して元に戻すことはできません。一方で、親指を動かそうとしたときの引っかかり、踏ん張れない感じ、付け根まわりの張りには、骨ではなく周りの組織の硬さが関わっています。六層連動操法が扱うのはここです。靴ずれの炎症、打撲、骨盤の中の手術のあと、修復の過程で膜どうしが貼りついたまま残ったものを癒着と呼びます。親指を外へ開く筋肉(母趾外転筋)のところに癒着ができると、親指は外へ動けなくなり、小指側へ引かれたまま固定されます。
立ち仕事から帰ると座れない坐骨神経痛と膝の痛みに悩んでいた男性の症例では、外反母趾もひどく「そこから痛くなってくる」と話していました。足元を確認した沖倉は、靴ずれの炎症をきっかけに母趾外転筋のところへ癒着が豆のように張り付き、親指が外へ動けず制限がかかっている、と説明しています。これが外反母趾の形だ、と。股関節の癒着とは別の、もう一つのルートでした。

外反母趾の足。親指が小指側へ曲がり、付け根の関節が内側へ突き出している
出典: Lamiot, CC BY-SA 4.0

レントゲンで測る角度(赤・青の線)。親指の曲がりが大きいほど重い。この角度は手技では変わらない
出典: Hellerhoff, CC BY-SA 3.0

変形の段階(軽い〜重い)。痛みと踏ん張りにくさは、この段階と一致しないことが多い
出典: DrNealBlitz, CC BY-SA 3.0
画像は Wikimedia Commons の公開画像(各出典・ライセンスを表記。英語のラベルは日本語に置き換えた派生版)。記事の症例の方のものではない。
サポーターやテーピングで戻る理由
サポーターやテーピングは、親指の向きを外から支え、靴との当たりを減らします。痛みが強い時期には必要な対処ですが、親指を引っぱっている癒着や、内ももから足まで続く引っぱりには触れていません。外すと元の向きに戻り、踏ん張れない状態も変わりません。
首こりと背中の痛みで眠れず、吐くほどの頭痛に悩んでいた女性の症例では、子宮筋腫の摘出手術が2回あり、外反母趾のサポーターを常用していました。頭痛、顔面の痙攣、胃の不調、股関節の前側の痛み、外反母趾の痛み。訴えはほとんど体の左側に集まっていました。沖倉は、体の内側を縦に走る深いつながりの中で、内ももの内転筋や腸腰筋がとても硬く縮み、全体を引っぱっていると説明し、「子宮筋腫の手術をされた方は外反母趾になる方がとても多い。内側の炎症などに引っぱられて、足の親指が変形してくることがある」と話しています。足だけを支えても戻るのは、引っぱりの元が骨盤の中にあるからです。
六層連動操法が確認すること
六層連動操法の考え方そのものは 癒着と痛みの考え方 にまとめています。ここでは、この症状で何を確認するかだけを書きます。
外反母趾の方には、親指を自分で動かしたときの痛みと動く範囲、片足で踏ん張れるか、後ろに体重をかけたときの痛みを確認します。そのうえで、足を引いて動きが止まるラインを確かめ、親指の付け根・内もも・腸腰筋・骨盤の中のどこを押さえると親指の動きが変わるかをたどります。
- 動きを確認親指を外へ動かしたときの痛みと範囲、踏ん張り、後ろ体重での痛み、歩き方のかばい方を整理する
- 原因をたどる靴ずれの炎症の癒着(母趾外転筋)、内ももの内転筋、腸腰筋、骨盤の中の手術痕で、親指を引っぱっているルートを探す
- 癒着を剥がして再確認テコの原理で深い層に届かせて剥がし、親指の動きと踏ん張り、後ろに体重をかけたときの痛みを比べる
立ち仕事の男性の症例では、親指まわりの癒着を取ってつなげたあと「親指が全然違います。踏ん張れなかったんですよ。後ろに体重を全部かけても何も痛くない。もう何にも怖くない」と話しています。骨の角度を変えたのではなく、親指の動きを止めていた癒着に着目した記録です。できないことは、変形した骨の角度を戻すことです。手術が必要かどうか、装具や靴をどうするかは整形外科で相談してください。そのうえで、親指の引っかかりや踏ん張りにくさ、外反母趾をかばう歩き方から膝や腰、股関節に広がった痛みは、足だけでなく全身のつながりから確かめられます。
実際の施術での会話
外反母趾の痛みと踏ん張れない足の方の症例動画で、実際に交わされたやり取りです。沖倉が原因を伝えた言葉と、剥がした直後の反応を、動画の言い回しのまま引用しています。
沖倉「次に足を見ます。靴ずれの炎症で母趾外転筋に癒着して、豆みたいに張り付くから親指が動かない。外へ行こうとすると詰まって制限がかかる、これが外反母趾です。もう一つのルートの癒着を取りますよ。…今つなげました。」
患者さん「なんか動いてきた。あ、本当だ。楽になった。いつもズキズキしていたのが、もうないですね。」
立ち仕事後に座れない坐骨神経痛と膝痛——原因は股関節の癒着(坐骨神経痛・膝痛)沖倉「外から押せない、骨の内側の硬さが解けたんです。過緊張がゆるんだ瞬間に、全身の力がふわっと抜けます。」
患者さん「硬いものが抜けて、軽くて涼しいです。違和感も張りもなくて、背中の痛みもありません。こんなに力が抜けたのは初めてです。本当にすごいです。」
2時間も眠れない。吐くほどの頭痛を癒着剥がし(吐くほどの頭痛)沖倉「ここにありましたね。…取れました。」
患者さん「なんだか、すっと動いた感じがします。あ、すごい、足が動くようになった。」
股関節の不安定感から転倒・骨折——足の踏ん張りを取り戻すまで(股関節の不安定感・転倒)炎症が続くと、新しい癒着ができる
外反母趾の方は、親指の付け根の靴ずれや関節の炎症がくり返されるたびに、そこに新しい癒着ができます。足の炎症を減らすには靴を見直すことが先ですが、六層連動操法がもう一つ見るのは、骨盤の中の炎症です。子宮や腸のまわりが炎症を続けていると、内ももから親指へ続くラインがまた縮こまります。
骨盤の中の炎症を減らすために。
- 婦人科の症状(生理痛・筋腫など)が強い時期に足の痛みも強くないか
- 揚げもの・加工食品・甘いものの量
- 便秘(骨盤の中の膜を硬くする)
- 靴ずれを起こす靴を履き続けていないか(足側の炎症)
施術の様子(動画)
外反母趾の痛みと踏ん張れない足の施術では、痛む場所ではなく原因の場所をたどります。癒着を剥がした直後に動きがどう変わるかを、編集せずに公開しています。
立ち仕事後に座れない坐骨神経痛と膝痛——原因は股関節の癒着(YouTube)
同じ症状の施術症例
外反母趾の痛みと踏ん張れない足で来院した方の記録です。問診・動作の確認・原因の見立て・施術後の変化を、症例ごとに読めます。
よくある質問
骨の出っぱりは小さくなりますか?
骨の角度や出っぱりを手技で変えることはできません。変わるのは、親指の動く範囲、踏ん張り、付け根まわりの張りです。骨の変形の程度と手術の要否は整形外科で確認してください。
手術をしたあとでも受けられますか?
受けられます。手術痕そのものが新しい癒着になり、親指の動きや歩き方を止めていることもあるので、手術の時期と経過を伝えたうえで、足から骨盤までのつながりを検査します。
足が痛いのに、お腹や内ももを見るのはなぜですか?
親指を引っぱっているルートが、内ももの内転筋や腸腰筋を通って骨盤の中まで続いているからです。子宮筋腫の手術歴がある方で外反母趾が重なっていた症例では、左側の背中と胃の前側の硬さから足の親指、首へと続くつながりをゆるめています。
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この記事について
六層連動操法事務局が、沖倉国悦の臨床経験と公開している施術動画・症例記録をもとに作成しています(作成日:2026年10月17日)。「癒着」は六層連動操法の臨床上の見方を含む言葉です。記事の訂正・ご質問はお問い合わせページへお寄せください。

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