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KNEE PAIN GOING DOWNSTAIRS

階段の下りで膝が痛い・ガクッとする
膝だけを見ない理由と、胃と背中から膝をたどった症例

階段を上るときは平気なのに、降りるときに膝が痛む。膝がガクッと抜けそうで、手すりから手を離せない。階段の下りは、膝の不調がいちばん表に出やすい場面です。六層連動操法は、下りで出る膝の痛みを膝の中の問題ではなく、膝を横や前から引いている離れた場所の硬さとして見ます。

この記事のポイント
  • 下りでは片脚で体重を受け止めながら膝を曲げるため、膝を引っぱっている硬さが表に出やすい
  • 手すりを持って一段ずつ降りていた30年の膝痛は、胃のまわりと胸椎11〜12番の硬さが膝の内側に負担をかけていた
  • 43年の腰痛で正座できなかった膝は、胸郭の前側が体の前面のラインを通って膝の前を引き、曲がりを止めていた

階段の下りで膝が痛むのはなぜか

階段を降りるときは、片脚で体重を受け止めながら、膝が急に曲がりすぎないよう太ももの前の筋肉がブレーキのように働きます。膝を曲げた状態で体重を支える時間が長くなるため、平らな道では気にならない痛みが、下りでだけ出ます。腫れて熱っぽい、関節に水がたまっている、途中で引っかかって動かない、転んだりひねったりしてから痛み出した、という場合は、半月板や靱帯の損傷を画像で確かめる必要があります。

六層連動操法が見るのは、膝がなぜ横へ曲がるのか、なぜ曲げる途中で止まるのかです。手術やケガ、胃や腸の炎症のあと、修復の過程で膜どうしが貼りついたまま残ったものを癒着と呼びます。癒着はまわりの膜を引っぱり続け、引っぱられた筋肉は縮こまります。胃のまわりの膜は横隔膜から背骨の前側を下り、大腰筋を通って股関節、太ももの内側へ続きます。ここが縮こまると、膝は内側へ引かれたまま曲げ伸ばしをすることになり、下りで体重がかかった瞬間に横へ曲がる怖さとして出ます。胸郭の前側の硬さは体の前面のラインを通って膝の前を引き、曲がりを止めます。

腰の痛みが20〜30年、右膝の痛みが5年続いていた女性の症例があります。少し歩くと膝から股関節まで痛くなり、家の横の畑でキュウリを採るだけで5〜10分で座り込んでしまう。駅の階段では後ろの人を待たせてしまうのが恥ずかしかったと話しています。階段の降り方を尋ねると「手すりを持って一段ずつ降ります。膝が横へ曲がるような、ガクッと抜けるような怖さがあります」。

膝関節の断面図と前から見た図

膝関節の構造。半月板・靱帯・お皿の腱。下りではお皿の腱と太ももの前の筋肉がブレーキとして働く
出典: OpenStax College, CC BY 3.0

正常な膝のレントゲン(横から)

正常な膝のレントゲン(横から)。膝の中に異常がなくても、下りで痛む方は多い
出典: Mikael Häggström, CC0

大腰筋と太ももの前の筋肉の図

胃のまわりの膜は横隔膜から背骨の前、大腰筋を通って太ももの内側へ続く。ここが縮こまると膝は内側へ引かれる
出典: OpenStax College, CC BY 3.0

図1 膝の構造と、膝を引いている上のつながり。膝の中に異常がなくても、胃のまわりから大腰筋・太ももの内側へ続く硬さが膝を内側へ引く
画像は Wikimedia Commons の公開画像(各出典・ライセンスを表記。英語のラベルは日本語に置き換えた派生版)。記事の症例の方のものではない。
炎症から修復、癒着へ進む3段階の図
炎症から修復、癒着へ進む3段階の図(スマホ用)
図2 炎症が起こると、体は傷をふさぐために線維を集めて修復する。そのとき、本来は別々に滑るはずの層同士が結ばれてしまうのが「癒着」。
お腹の癒着から攣縮がライン状に広がり、離れた首や膝に痛みが出る図
お腹の癒着から攣縮が広がり離れた場所が痛む図(スマホ用)
図3 お腹の癒着(赤)から、筋膜のつながりに沿って攣縮のライン(金の点線)が上下に広がり、首・肩や膝など離れた場所に痛み(赤い輪)として現れる。

膝を揉んでも、注射をしても戻る理由

膝のまわりを揉んだり、ヒアルロン酸の注射をしたりすると、その場では楽になります。ただ、膝を内側や前から引いている元が残っていれば、次の下りでまた同じ場所に負担が集まります。「膝が痛いと膝ばかりを施術しがちですが、原因が別の場所にあれば膝だけを整えても痛みは残る」というのが、二つの症例に共通する見方です。

症例の女性は、右肩に腱板断裂もあり、腕はほとんど上がりませんでした。ペインクリニックで受けた肩の注射も、効いているのは1週間か10日ほど。沖倉がとくに硬いと伝えたのは、背骨の胸椎11〜12番のあたりと胃のまわりでした。ここが体を前から引き、腰と膝の内側に負担をかけている、という見立てです。本人は「胃から膝に来るなんて初めて聞きました」と驚きながら、最近ずっと胃のあたりがモヤモヤしていたことを思い出しています。

表面を揉む施術と、深部の癒着をほどく六層連動操法の違い
揉む施術と癒着をほどく六層連動操法の違い(スマホ用)
図4 表面を揉む施術は浅い層で止まり、深い層の癒着は残る。六層連動操法はテコの原理で深い層に届き、癒着そのものを剥がす。

六層連動操法が確認すること

六層連動操法の考え方そのものは 癒着と痛みの考え方 にまとめています。ここでは、この症状で何を確認するかだけを書きます。

階段の下りで膝が痛む方には、手を使わないしゃがみ、体の回旋、腕の上がり方、そして実際の階段の下りを確認します。膝そのものを押したり無理に曲げたりはせず、胃のまわり・胸椎・胸郭の前側・股関節の奥で、膝を引いている硬さの出発点を探します。

  1. 動きを確認手を使わずにしゃがめる深さ、体の回旋の角度、腕の上がり方、階段の下りで膝が横に曲がる怖さの有無を整理する
  2. 原因をたどる胃のまわりの膜、胸椎11〜12番、胸郭の前側、大腰筋・内転筋で、膝を内側や前から引いている癒着を探す
  3. 癒着を剥がして再確認テコの原理で深い層に届かせて剥がし、しゃがみ・腕上げ・階段の下りを同じ条件で比べる

症例の女性は、片側の胃と胸郭から脚へつながる硬さをゆるめ、途中で立って確かめると「膝も今は痛くない」。止まっていた右腕が上がり、しゃがみ込みも深くなり、最後に階段を試すと手すりに強く頼らず一段ずつ足を運べています。43年の腰痛が続いた男性では、合気道の稽古の最初と最後の正座のために鎮痛剤を飲んでいました。膝関節の中ではなく胸郭の前側の硬さが膝の前を引いて曲がりを止めていると見立て、施術の途中で膝の曲がりは拳2個分から1個分へ変わり、床での正座を試すと「痛くない」と話しています。動きが戻っても無理をせず、胃に負担をかけないことを伝えています。

検査、施術、再検査という六層連動操法の施術の流れ
検査、施術、再検査という施術の流れ(スマホ用)
図5 六層連動操法の施術の流れ。感覚に頼らず、施術の前後で動きと痛みの検査をくり返し、変化が出なければ別の層・別の場所を検査し直す。

実際の施術での会話

階段の下りで膝が痛い・ガクッとするの方の症例動画で、実際に交わされたやり取りです。沖倉が原因を伝えた言葉と、剥がした直後の反応を、動画の言い回しのまま引用しています。

沖倉「歩いている途中では、最初から股関節まで痛みますか?」

患者さん「初めは膝です。しばらく歩くと股関節まで痛くなり、そこまで来るともう動けません。」

症例: 30年続く腰痛と膝・股関節痛——階段動作が変わるまで(30年の腰痛・膝痛)

沖倉「膝とか腰は筋肉によって守られている部分があるんです。筋肉がパンプアップしている時は膝の動揺が守られている。痩せて筋肉の量が落ちると、膝が伸びている時に前十字靭帯・後十字靭帯がロックしてくれる作用ができなくなってしまう。」

患者さん「動いてる、動いてる。あらららら、あららら。なんか溶けていく。」

症例: 43年続く腰痛と正座できない右膝——原因は胸郭の前側の癒着(腰痛・膝痛)

沖倉「股関節周囲と骨盤の中に強い癒着があって、それが膝の曲げ伸ばしをできなくしていました。もう一つは肩甲骨の周辺、肋骨の上側。ここもしっかりへばりついていたので、取りました。」

患者さん「それは言われると分かります。肩こりも、これで楽になってます。」

症例: 「人工関節しかないかも…」と諦めかけた膝痛。原因は股関節の奥の癒着でした(ひざ痛)

炎症が続くと、新しい癒着ができる

階段の下りで膝が痛む方の原因が胃のまわりにあった症例では、本人が「最近ずっと胃のあたりがモヤモヤしていた」と話していました。胃の炎症が続いていると、胸椎の前側の膜がまた硬くなり、膝の内側への引っぱりが戻ります。施術のあとに「胃に負担をかけないように」と伝えたのはこのためです。

胃を荒らさないために、まず見直すもの。

  • 食べすぎと早食い(胃が張ったままだと胸椎の前が引かれる)
  • 脂っこい外食・揚げものの頻度
  • コーヒー・アルコール・辛いもの(胃の粘膜を荒らす)
  • 寝る前の食事

炎症のもとになる食事・習慣の全体像は 癒着Q&A に、癒着ができる流れは 癒着と痛みの考え方 にまとめています。

施術の様子(動画)

階段の下りで膝が痛い・ガクッとするの施術では、痛む場所ではなく原因の場所をたどります。癒着を剥がした直後に動きがどう変わるかを、編集せずに公開しています。

30年続く腰痛と膝・股関節痛——階段動作が変わるまで(YouTube)

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同じ症状の施術症例

階段の下りで膝が痛い・ガクッとするで来院した方の記録です。問診・動作の確認・原因の見立て・施術後の変化を、症例ごとに読めます。

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よくある質問

変形性膝関節症と言われています。見方は違いますか?

骨の変形そのものは手技で変えられません。変えるのは、膝を内側や前から引き続けている胃のまわりや胸郭、股関節の奥の癒着です。変形があっても、引っぱりが減ると下りの怖さや曲がる深さが変わる方がいます。

膝が痛いのに、胃や背中を見るのはなぜですか?

胃のまわりの膜が横隔膜から背骨の前、大腰筋を通って膝の内側まで続いているからです。症例の方は胃と胸椎の硬さをゆるめた途中で膝の痛みが消え、階段を一段ずつ降りられています。

下りだけ手すりを使うのは続けていいですか?

怖さがあるうちは使ってください。膝のセルフケアのページにも、階段の下りでは手すりを使うことを書いています。手すりなしで降りられるかどうかは、引っぱりを剥がしたあとに確かめます。

六層連動操法を受けられる治療院

六層連動操法は、沖倉国悦のセミナーを修了した認定施術者が全国で行っています。地域別に探せます。体験会・セミナー・施術モニター募集などの最新情報は公式LINEでご案内しています。

現在、沖倉国悦本人による新規の施術予約は受け付けておりません。

「六層連動操法は怪しい?」と感じた方は、医師監修の臨床試験の結果と受講した施術家の実績をご覧ください。

この記事について

六層連動操法事務局が、沖倉国悦の臨床経験と公開している施術動画・症例記録をもとに作成しています(作成日:2026年10月17日)。「癒着」は六層連動操法の臨床上の見方を含む言葉です。記事の訂正・ご質問はお問い合わせページへお寄せください。